兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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上司と部下の、子供染みたケンカ?

久しぶりの更新です

何気に当ブログの一番人気になりつつある、『意地悪上司と、可愛い部下

調子に乗った慧ネンは、さっそくカテゴリも作りました
何の捻りもなく、そのまんまなんですけど…

この二人を書くのがとても楽しいです
(ビックリするほどキーが進むのは何故でしょう?



上司と部下の、子供染みたケンカ?


「一体どういう神経してるんだ、あいつら…。」
タクシーから降りた黎翔は、腕の中の人物を見詰め一人ごちた。


つい先ほどまで楽しそうに笑っていた彼女は、自分が来た途端硬い表情になった。
苦い思いを隠して、黎翔は近くにいる部下達と酒盛りを始めた。

会話は弾むも、彼女だけはその中に入らず、ずっと視線を下げている。
そんな彼女を気に掛けて、同期入社の女性社員が言葉を掛けるが上の空だ。

面白くない。

何故そんな顔をする。
どうして笑ってくれないんだ。

「――汀。」

イライラしながら、黎翔は部下である汀夕鈴に声を掛ける。
彼女はびくりと身体を震わし、恐る恐る顔を上げた。

「私が傍にいると、そんなにつまらないか?」

責めるつもりで言ったわけではなかったが、彼女はそう思ってしまったらしい。
泣きそうなほど、彼女の顔がくしゃりと歪んだ。

内心焦った黎翔は慌てて言葉を紡ごうとするが、それよりも早く夕鈴は唇を噛み締めると睨み付けるように黎翔を見上げてきた。

「…そんな事ないです。課長の気のせいでしょう。」

「じゃあ何故、そんな顔するんだ?」

「別に?…普通の顔ですが?…悪かったですね、変な顔で。」

プイっと、夕鈴はそっぽを向く。

「――そんな事、言ってない。」

夕鈴の態度に黎翔はイラっと来た。

どうしてこの気持ちは、彼女に伝わらないのだろう。
他の社員には見せる笑顔も、私にだけは見せてくれない。

「私が近くにいるのが嫌なら、そう言えばいいだろう!?」

イライラしている黎翔は、つい語尾がきつくなった。

「嫌っているのは、課長の方じゃないですか!」

夕鈴もムッとして、負けじと言い放つ。

毎日毎日、ちょっとした事ですぐに怒って。
そんなに私の事が嫌いなら、そう言えばいいのに。

すぐ傍にいる社員達が、「課長、言い過ぎですよ!」と咎め、「ちょっと、夕鈴…」と明玉達・同期社員が窘めるが、ヒートアップした二人には届かない。

「何~?」
「どうしたどうした?」
「…ケンカ?」

広間にいる皆の視線が集まったいる事に、当事者は気付いてもいない。

「いつも私ばかり怒って、私の反応を見て笑ってるんでしょう!?」

目の淵に涙をためて叫ぶ夕鈴の言葉を聞いて、黎翔は驚愕して目を見張る。

「――何、言って……」

日頃彼女を叱責するのは、嫌っているからではない。
好きだからこそ苛めたくなるが、決して彼女を笑っているわけではない。

だから彼女が、そんな風に思っているなんて考えもしなかった。

「…私がそんなに嫌いなら、異動でもなんでもさせればいいじゃない!!」

夕鈴はもう、自分が何を叫んでいるのか分かっていなかった。
ただ日頃から胸の奥に抱えていた思いが溢れて、言葉が止まらなかった。

目の前にいる意地悪な上司が、初めて見る表情をしている事に気付いていたけれど。

ずっと言いたかった言葉を言えて、夕鈴は喉の渇きを感じて目の前のテーブルにあるグラスに手を伸ばす。

「――ちょ、待て、汀!それは…!」

先輩の男性社員が「俺のグラス…!」と焦ったように叫んだが、すでに遅かった。
ウーロン茶だと思い一気に煽った茶色の液体は、彼が飲んでいたビールだったのだ。

「え……?」

呟きを漏らした瞬間に、彼女の世界は暗転した。


「申し訳ありません。」

未成年の彼女の傍にビールを置いていた事をその社員は詫びたが、彼に責任は無いと他の社員達は思った。

目を回した夕鈴は、真っ赤な顔をして眠っている。
急性アルコール中毒にならなかっただけでも、幸いだ。

飲み会もお開きになり、さて誰が彼女を送っていくかと言う話になり、

「はい、課長。これ、この子の住所です。」

明玉がメモを黎翔に渡してきた。

「私が、行くのか…?」

そう言うものも、他の男に彼女を触れさせたくなくて、意識のない彼女を抱き上げて黎翔は店を出た。

「当然ですよ。」
「今回の事は、課長の責任です!」

女豹達に詰め寄られ、黎翔はウっと唸る。

「くれぐれも、送り狼になったりしないで下さいね!?」

念を押され、半分無理矢理タクシーに押し込まれた。

メモに記されているアパートの前でタクシーを降り、黎翔は「お疲れ様でした!」とにこやかな顔で手を振ったり頭を下げた部下達を思い出す。

黎翔の気持ちを知っているくせに、手を出すなと言っておきながら、無防備な彼女を託すのか。

腕の中には、愛しい愛しい存在。

「…どうなっても知らないからな。」

目を覚ます気配もない彼女に、大きな溜息を吐きながら呟いた。


続く






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Comment

No title 

おひさしぶりです~^^
あちらではいつもお世話になっています!

どうなっても知らないのですか?
どうなっても良いのでは?むふっ////

続き楽しみにしております^ー^
  • posted by ぷーちゃん 
  • URL 
  • 2013.04/25 19:36分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: No title 

ぷーちゃん様

コメントありがとうございます(^^♪

こちらではお久し振りですが、あちらではこちらこそお世話になってます♪

いやいや、どうにかなってしまったら、この場合ヤバいでしょう…。
夕鈴意識ないし(汗)

ここは男らしく、黎翔課長には自制してもらいたいものです。
でも慧ネンが書く黎翔さんはどのお話もヘタrなので、何もおこらないのでは?

一体どうなる事でしょう。
  • posted by 高月慧ネン 
  • URL 
  • 2013.04/25 21:56分 
  • [Edit]
  • [Res]

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