兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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可愛い部下の、初出張 1

またまた、上司と部下シリーズです。
やっぱりこの二人を書くのは楽しい

私事ですが、慧ネン、先月末に出張がありまして…。
夕鈴に出張に行ってもらったら、面白そうだな…と考えたのが、この話のきっかけです

慧ネンは会社勤めではないので、実際どのように出張に行くのか知りません。
なので、適当に書いてます
まあ二次なので、お許し頂けると嬉しいです。

細かい事を気にされる方は、読まない事をお勧めします。

どんなお話でもオールOKな方のみ、続きからどうぞ…


可愛い部下の、初出張 1


「――汀君。」

その日、夕鈴は通路で声を掛けられた。
声を掛けてきたのは、各営業課を取り仕切る部長。
夕鈴の直属の上司、珀課長や二課の課長・浩大の上司にあたる。

「君に折り入って頼みがあってね…。」

夕鈴が足を止めて振り返ると、部長はニコニコしながら近付いてきた。

「――出張?」
「うん…。」

お昼休み、夕鈴は明玉と共に食堂にいた。
先程、部長にされた頼まれ事を明玉に話すと、彼女は怪訝な表情をする。

「それ、何か怪しくない?…どうして部長が直接あんたに言ってくるのよ?普通なら、課長から通達があるはずでしょ?」
「うん、そうなんだけど…。」

夕鈴も何故部長直々に頼んできたのか、その理由が分からない。
ただ、部長の言葉が気に掛かる。

『…君は出張は初めてだったね?緊張するとは思うけど、これも経験だと思って行ってもらえないかね?――君じゃないと、駄目なんだ。』

あれは一体、どういう意味なんだろう?

「――なあ~んか、胡散臭いわね…?それに私あのハゲ、嫌いなのよね!」
「ちょっと、明玉…」

気持ちは分かるが、沢山の社員がいる食堂でその発言はマズイと、夕鈴は周囲を気にしながら彼女を咎めた。

営業課部長は、多くの社員に嫌われている。
仕事をロクにしないくせに、文句を言ったり、部下をこき使ったり、とんでもない男なのだ。
その割に口だけは達者で、目上の者に取り入るのが上手だ。
そして自分にとって利益になる事を、一番に考える自己中心的な人間である。

「で、行くの?」
「うん。…返事もしてる。課長にはこの後伝えようと思ってる。」

恐らく部長から連絡は行っていると思うが、直属の上司にあたる課長には自分自身の口からも言わないといけないだろう。
ちょっと気分が憂鬱になって、夕鈴はフウッと息を吐いた。

ちょうど、同じ頃――。

「…珀課長!」

大半の社員が休憩に行って閑散とした一課で、書類にペンを走らせていた黎翔は、呼ばれて顔を上げる。
一課の入り口には、二課の課長、浩大が立っている。
彼は課内に残っている数人の社員の目を気にしながら、目線で『ちょっと良いか?』と問い掛けてきた。
黎翔は腰を上げると、部下に「ちょっと出てくる」と言って、すでに歩き始めている浩大の後を追った。

二人は屋上に上がった。
一応立ち入り禁止になっているが、鍵はあって無いようなものだ。
人に聞かれたくない話をするには、もってこいの場所だ。

「――夕鈴ちゃんの出張の話、聞いたか?」

単刀直入に聞かれて、黎翔は憮然とした顔で頷く。
人の良さそうな顔をしたハゲ部長が、「もう本人の了承は得ているから。」と事後承諾で伝えてきた。
彼女も、部長から直々に言われて、断れなかったに違いない。

「――あのハゲめ、勝手な事を…!」
「あんた部長の事、嫌っているもんな?」

黎翔がイライラしているのが分かり、浩大はそう言って肩を竦めた。

「で、私を呼び出した理由は何だ?」
「う、ん…ちょっと嫌な話を耳にしてさ…。」

「俺の杞憂なら良いんだけど」と前置きして口を開いた浩大の話を聞くうちに、黎翔の眉間に皺が寄り、握られた拳にギュウッと力が入る。

今回の彼女の出張は、ある会社との商談。
それをまだ新人の部類に入る彼女に任せる理由は、相手の会社社長が指名したからだと言うのだ。
その社長はまだ30代と若い。

彼――浩大の情報収集力は抜群だ。
彼が持つ情報は、高い確率で真実である。

「…その男は、いつ彼女と接触したんだ?」
「ほら、数日前に夕鈴ちゃん、会議に参加したじゃん。その時目をつけられたんだと思うよ?その社長も来てたんだけど、知らなかった?」

問われて、数日前の会議の事を思い出そうとするが、その社長とやらの顔が思い浮かばない。
基本的に黎翔は、興味ない事や、どうでも良い相手の顔を覚えて置く事が出来ない。

「相手も一応、大手会社の社長だからさ、無茶な事はしないと思いたいけど…。その社長、あんまり良い評判聞かないから。それに、女癖が悪い事で有名なんだよ。何人もとっかえひっかえ、好き放題しているって。」
「そんなんでよく、社長が務まるな…。」
「そこの会長さんが彼の父親で、遅くに出来た一人息子だから彼に甘いんだよ。…息子が何か仕出かすたびに、金で揉み消してるって話し。」

今回も彼女に会いたいが為に父親である会長に頼み込み、会長から白陽コーポレーションの部長に話が行ったらしい。『彼女が相手なら、そちらの良い条件で話を進める』という会長の言葉に、部長はすぐに食付いたに違いない。

「彼女一人で行かせるなよ?…危険すぎる。」
「…分かっている。今回の商談は、汀一人だけじゃ荷が重すぎる。」
「――素直じゃないねえ。」

―――心配なら、そう言えば良いのに。

「……何か言ったか?」
「うんにゃ?…こっちの事。」

憮然とした顔で聞いてくる黎翔に、浩大は少しだけ苦笑い(わらっ)た。


続く


見切り発進で、続きます







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