兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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願い ―後編―

SNS白友さくらぱん様に頂いた、素敵なお話の後編です

前編を読まれていない方はこちらへどうぞ→『願い ―前編―

現代パラレルの、切なく、そしてとても甘い黎翔と夕鈴のお話です




願い ―後編―


君が落ち込んでいて酷い状態だと君の親友から緊急の連絡が来た。
しばらく待っていても、君からのSOSの連絡が来ない。

君の涙も、痛みも、僕は分かち合いたいのに
君のことだから、僕に心配かけまいと自分を隠すんだね。

こんな時こそ、恋人である僕を頼りにしてほしいのに……。

僕にとって大切な君だから、君の笑顔が曇るのは見過ごせない。
なりふりなんか構ってなんかいられない。

周囲に迷惑かけてもいい。
君を元気にしたくて、気付いたら君の家までバイクを走らせていた。

想像以上の君が居て……

そんなに沈んだ顔しないでよ……
僕が居るよ。

怖れないで
笑ってよ、夕鈴。

笑顔の無い君が
いたたまれなくて、家から連れ出した。

君の心を曇らしている
心の重みを少しでも軽くしたい……

君が好きだから、僕が手助けしてあげたい。
君を笑顔にしたいんだ。

僕にとって
誰より大切な君だから


僕がいるよ。
一人で悩まないで

自分に嘘をつかないで
君は、君らしく
そんな君が僕は大好きなのだから

見失わないで夢を!!!
忘れないで願いを!!!

きっと大丈夫!!!
君の夢はすべて叶うから!!!

その涙も痛みもこの夜に溶けていけ。
君の苦しみも悲しみも消えていけ。

一人きり涙が止まらない時は
思い出して
涙止まるまで、僕が傍に居てあげる

だれも皆一人ではないんだよ。
君のすべてを僕は抱きしめていてあげる。


『夕鈴、着いたよ。』

海岸線を何処までも走らせていたバイクを、とある岬で止めた黎翔さん。
白み始めた空には、消えかけた月と星とが浮かぶ。

被っていたヘルメットを脱ぐと、ひんやりとした潮風が頬を撫でた。

『間に合ったかな?……おいで夕鈴。』

「……はい。」

差し出した黎翔さんのその手を、夕鈴はしっかりと握り締める。
そのまま、二人は、防風林を抜けて海へと向った。

夕鈴は、夜通しバイクで駆け抜けたと言うのに
疲れた印象は無く、むしろ心は軽やかだった。

『足場が悪いから、気をつけて!!』

まだ陽の昇らないうすぼんやりとした景色。
足元の覚束ない足場の悪い道を海へと進む二人。

時折、黎翔さんの力強い腕が、彼女を支えて
導かれるように、先を急ぐ……

岬の突端にようやく着くと、一条の眩しい光。
曙色した空に、今まさに昇ろうとしている太陽。

新しい今日という一日にふさわしい美しい陽の光。
爽やかな朝にふさわしい穏やかな大海が広がり
明るく澄んだ柔らかな青い空が二人の頭上に広がる。

かもめが水平線を目指して飛んでいく
まるで、夕鈴の心のよう
どこまでも空を飛んで行けそうなそんな気分。

夕鈴は、昇る朝日を全身に浴びる。
朝日に目をすがめて、彼女は空に両手を伸ばす。

悩んでいた昨日が嘘みたい。
閉ざされた悩みは、悩んでいても仕方ない。

だから、振り返らないで
未来を見つめよう

掴みたい願い、思い描く未来。
この両手は、未来の為にあるの。

その祈りも想いもあの空に届くよう
私の心がこの空にはばたいていく……
翼があるかのようにとても軽い。

いつの間にか心のもやもやも消えて無くなり……
悩みも不安も全て黎翔さんが消し去ってくれた。

心から湧き上がる想い。
黎翔さんへの気持ち。

黎翔さんへの感謝
「黎翔さん、ありがとうございます。」

何も言わなくても支えてくれる
黎翔さんの愛
ちょっと、照れくさいけれど、ちゃんと伝えなきゃ……
「黎翔さん、大好き!!!」

朝日を見ていた夕鈴は、黎翔に真向かい想いを伝える。
太陽よりも眩しい、曇りない彼女の満面の笑顔。

夕鈴は、この日はじめて心からの笑顔を黎翔に向けた。

『……何のこと?』

太陽よりも眩しげに目を細めて、彼女に優しく微笑む黎翔。
昇り行く朝日を浴びて、二人とも顔が赤い。

それが、朝日のせいなのか照れてなのかは、二人にしか分からない。
ぽつりと黎翔さんが独り言のように呟いた。

『あぁ……やっと君の笑顔が見れた。』

どこかホッとしたような小犬の笑顔。
優しくて暖かい夕鈴の大好きな黎翔さん。
いつも見守って寄り添ってくれる黎翔さん。

「黎翔さん、大好きっ!!!」

黎翔さんへ想いを伝えきれない気がして、夕鈴はもう一度彼に伝えた。
そのまま真っ直ぐに彼の胸に飛び込んだ。

黎翔さんは、きゅっと彼女を抱きしめてくれた。
彼の心からの愛が溢れてくる……

二人とも晴れやかな笑顔が零れた。

(あなたが好きっ……黎翔さんっ、大好き!!!)

(ううん、大好きじゃ足りない。……黎翔さんっ、だい・大・大好きっっ!!!)

夕鈴の溢れる想いは、止まらない。
更に、黎翔さんをギュッギュッと抱きしめた。

黎翔の願いは、朝日と共に叶えられた。

彼が願い、ようやく取り戻せた
誰よりも愛しく眩しい夕鈴の笑顔が、そこにはあったのだから。

お互いにお互いを抱きしめ、大海原に昇る朝日を見た。
朝日を浴びながら、美しい世界を見つめる。

二人の目の前に広がる世界。
美しく耀く太陽。煌めく海面。どこまでも澄んだ空。

二人の心は、昨夜と違いとても晴れやかだった。
そして、今まで以上に二人の絆が強く結ばれたのだった。


ー完ー


前編


さくらぱん様、とってもとっても素敵なお話を、ありがとうございました


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  • 2013.06/30 00:52分 
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