兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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『恋蓮華5ーこいれんげー』

さくらぱん様からの頂きもの、五話目です

夜空に煌めく美しい花火が打ち上がりますよ~

スケールが大き過ぎて、感無量です





恋蓮華5ーこいれんげー


黎翔さんは、運ばれてきたばかりの料理をトレイごと、隣の寝室へと持ち込んだ。

『夕鈴、悪いけど…グラスと飲み物を、こっちに持って来てくれる?』

「黎翔さん、寝室でディナーを食べるんですか?」

『ん…ちょっとね☆君を驚かせたいんだ。』

瞳を輝かせて、黎翔さんは笑った。
こういう時の黎翔さんは、何か楽しいことを考えている時の顔だった。
なんだか夕鈴までドキドキ…そわそわしだす。

「寝室で…ですか?」

そのまま夕鈴はグラスを片手に、黎翔さんの後ろをついていく。
黎翔さんに素直について来て、寝室に入ったのはいいものの…大きな天蓋つきのベッドが目に入り、夕鈴は、寝室の入り口で立ちすくんでしまった。

戸惑いを隠せないハシバミ色の大きな瞳は、黎翔さんが隠していることへの期待と不安で大きく揺れ動く。

恋人の行動がわからない。
……意味があっての行動とは、思うのだけど…………。

『夕鈴、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。君と食事を取りたいだけだ。…………何もしないから。』

入り口で、固まってしまった夕鈴を見て 黎翔さんは、クスリ……と笑った。

彼女の心が全て手に取るように分かってしまう。
今時、珍しいほどの嘘のつけない表情豊かな僕の彼女

黎翔は、そんな彼女をかわいいなと思いつつ、
迷い無い足取りで自分の計画を実行する。






黎翔さんは、寝室のテーブルに、トレイごと料理を置くと、ベッドサイドのリモコンに手を伸ばした。

窓の縦型ブラインドの自動開閉用のリモコンだった。

黎翔さんが、窓に向けて使うと音もなく中央から少しづつ左右にブラインドがゆっくり開かれていく。
ブラインドに隠されていた、天井から床まで嵌め殺した大きな大きなガラス窓が現われた。

最上階の角部屋であるロイヤル・スイートの部屋らしい豪華な造り
角部屋である利点を活かした、巨大なパノラマウィンドウの壁面。

大きな一枚ガラスに、鏡効果で明るい部屋が映し出された
全てのブラインドが全開した窓には、寝室の様子と二人がハッキリと映っていた。

黎翔さんは、再びトレイを持ち上げると、巨大な窓辺を望める中央の床にトレイを置いた。そのまま…黎翔さんも床に座る。

『夕鈴、ここに来て……。』

手招きして夕鈴を待つ黎翔さん。

どうやら、本気で寝室の床で食べる気らしい。
おずおずと近づいて、夕鈴も黎翔さんの隣に座った。

夕鈴の持って来たグラスと飲み物は、黎翔さんのトレイの片隅にそっと置いた。
黎翔さんは夕鈴が座ったのを確認するとリモコンで部屋の灯りを全て消した。

途端に、まるで外にいるかのような、夜のパノラマ。
穏やかな海面を照らす月明かり…… 。
影絵のみたいな…… ロマンティクな景色が夕鈴の目の前に広がる。
まるで夢物語に迷い込んだように美しい。

…………っ。

…その光景の素晴らしさに、夕鈴は息を飲んだ。
スクリーンに映し出されたような夢のような穏やかで美しい景色。
美しすぎて夕鈴は、言葉も出ない。

『……夕鈴、隣もいいけど。
もっとこっちにおいでよ。』

そういうと黎翔さんは夕鈴をさらに引き寄せて、自分の胸の中に夕鈴を抱きしめなおした。

柔らかな感触とともに、温かなぬくもりが黎翔さんの腕の中に収まる。

愛しい彼女は、夢見るようなハシバミ色の瞳を潤ませて、心奪われたかのように、景色に魅入っていた。

黎翔は、そんな彼女を見て満足そうに微笑むと、ポケットからスマホを取り出して、何処かに電話をかけた。

『Reiです。…始めてください。』

その声を聞き夕鈴は、黎翔さんに振り向いた。
だが、すでに会話が終わってしまったようで …黎翔さんは、スマホを片付けていた。

「…黎翔さん?」

『夕鈴、海を見て! 今から、素敵なコトが始まるよ!!』

海面に小さな灯りが灯ったと思ったら、なにやら船がものすごいスピードで、海面を横切っていく。

 バァァーーーーーーンっ!バン!バンっ! 

海面を彩る大きな水中花火。
半円形の丸い花が凪いだ夜の海に咲き競う。

このホテル自慢の人工のラグーンビーチ。
外海にせり出す。波消しのブロックのある灯台あたりでも、
幾つものオレンジの閃光。
と同時に撃ちあがる光りの軌跡。

しゅるしゅるしゅる…………

間髪いれずに夕鈴の目線の先に、夜空に鮮やかなスターマインが上がった。
窓ガラス越しでも、身体のシビレを体感できる花火の轟音。

 ドォォォーーーーーーーーンっ!バン!バンっ! 



突然、予期していなかった花火に驚く夕鈴。
次々と撃ちあがり鮮やかに花咲く色とりどりの夜空の大輪に、夕鈴は興奮を隠せない。

「……黎翔さん。コレって、いったい?」

振り向いたハシバミ色の瞳が映し出したのは、花火に照らされて、優しく微笑む恋人の姿。

それは夕鈴が、見惚れる程の蕩けるような甘い笑顔で 、とてもとても嬉しそうな恋人の姿。

『綺麗でしょう?』

『ホテルの支配人の粋な計らいで、
僕のタイミングで花火を打ち上げてくれる約束をしてたんだ。』

『さっきの電話は、開始の合図。』

『せっかく君と二人っきりになれたんだ。』

『これくらい特別なことしても、いいんじゃない?』

黎翔さんは、いたずらが成功した子供のように無邪気に笑った。
夕鈴の視界から、花火の景色が一瞬消えた。

代わりに夕鈴の唇に、再びの甘いKIss。
夕鈴の瞼の裏に、夜空の花が次々と花開いていった。


・・・続く

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よろしくお願いします。

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