兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

うさぎ、雌狼に嫉妬する

また過去作品を移動。

せっかくなので、近々おおかみとうさぎのお話をすべて移動させてこようかなお考え中です

うさぎ視点の、短いお話です。





うさぎ、雌狼に嫉妬する


その気配を感じたのは、やはりおおかみの方が先でした。

「…夕鈴、今すぐここを離れてどこかに隠れて。」

低いおおかみの声に、良くない事を感じたうさぎは身体を強張らせます。

「黎翔さん…?」

不安げにおおかみの顔を見上げると、彼はにこりと笑ってくれました。

「近くに狼がいる。…僕の方は大丈夫。あちらさんも、僕と争うつもりは無いみたいだし。」

でも夕鈴は近くに居ない方が良いからね、とおおかみはうさぎを安心させるように毛並みを舐めてあげました。


チラチラとおおかみの方を気にしながら、うさぎは彼から離れ茂みの中に身を潜めます。
十分な距離を取ったはずですが、念の為、自分のいる場所が風下になってないかを確認します。

狼は、とても優れた嗅覚を持っています。狼にとって、兎は格好のご馳走。

おおかみ以外の狼は、みな、敵です。


隠れた茂みから顔を少しだけ出して、小さく見えるおおかみの姿を確認します。彼が言った通り、うさぎがその場を離れて数分も経たぬうちに、一匹の狼が姿を現しました。

陽に煌く、美しい銀色の毛並み。おおかみより二回りほど細い体付き。
遠目にも分かります。アレは、雌の狼です。

争っている気配はありません。むしろその雌狼はおおかみに身体を擦り付け、何かを言っている。…ようにうさぎには見えます。

声が聞こえるわけではないのに、うさぎには雌狼がおおかみを誘惑しているように見えました。


なんか、イヤ…。

うさぎは困惑します。

胸の中が、奥の奥の深い所で、モヤモヤしたものが渦巻いています。

チリチリとした小さな胸の痛み。

初めて感じるこの感情がなんなのか、うさぎにはよく分かりません。


うさぎは自分の前脚を見詰めます。

陽に煌く事も無い、茶色の毛並み。
短い脚と尻尾、美しくも無い顔立ち。

なにより、自分は兎であって、狼ではありません。

あの銀色の美しい雌狼に、対抗出来るわけが無いのに。

何の違和感もなく、おおかみの傍に立てる狼に、うさぎは嫉妬します。


それが『嫉妬』だと言う事に、うさぎは気付きませんでした。


END

※転機中に誤字を見つけ、修正。
あちゃ~


関連記事
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

右サイドメニュー

プロフィール

高月慧ネン

Author:高月慧ネン
『兎と狼のラビリンス』へようこそ。
黎翔と夕鈴が大好きな管理人・慧ネンが、溢れる妄想を書き殴るために作ったブログです。
原作沿いや現代パラレル、色々ありますので、お好きなお話をお読み下さい。
よろしくお願いします。

†いらっしゃいませ†

キリの良い数字を踏まれた方は、ご連絡下さい♪

ご訪問中のお客様

現在の閲覧者数:

にほんブログ村ブログパーツ

ブロとも申請フォーム

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。