兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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ラブリィ♥マスコット?(もし、おおかみとうさぎが白陽コーポレーションにやってきたら)

久し振りのお話ですが、お遊びSSです。
行き詰った時、内コラボ(ブログ内でのコラボ)などで何かお話を作れたら良いなと思います。

広い心で読んで頂けたら嬉しいです。

内コラボ第一弾は『上司と部下シリーズ』×『おおかみとうさぎのお話』です。

『おおかみとうさぎのお話』の時のように、童話風に書いてみました




ラブリィ♥マスコット?(もし、おおかみとうさぎが白陽コーポレーションにやってきたら)


白陽コーポレーションの、入り口を入ってすぐのエントランス。
沢山の社員と一般客が訪れるそこに、不思議な光景がありました。

朝の陽射しが入り込む温かそうな日溜りの中に、一匹の大きな動物と、一羽の小動物。

「キャー!可愛い…!!」

騒ぎを聞き付けたであろう女性社員達が、黄色い悲鳴を上げています。

「ワンワン!!」

家族で訪れていた幼い男の子が、指をさして歓声を上げました。

しかしその動物は、残念ながら犬ではありません。
鋭い牙を剥き出しにした、獰猛な肉食動物。
―――そう、狼です。

そして共にいる小動物は、何と兎でした。

茶色い毛並みをした兎は、お利口にお座りをした真っ黒い毛並みの狼の背中によじ登り、構ってと催促しています。
大きな口をぱかりと開けた狼を見て、誰もが兎に食付くのではないかと戦慄しました。
けれど狼は、優しげに兎の毛並を舐めてあげただけでした。

本来なら捕食する側とされる側の一匹と一羽は、とても仲睦まじくじゃれ合っています。

「おいおい…、有り得ないだろ…。」

ハハハ…乾いた笑いを、一人の男性社員が浮かべます。

「でも、何か…」
「ああ、何かなあ…。」

この二匹を見ていると、彼らの脳裏にある二人が浮かんできました。

(似てるよなあ…。)

見ているととても楽しくて、そして心が和みます。

「…ほら見て!」
「わあ…!すっごく可愛い…!」

数人の女性社員が降りてきました。
その中に、彼らが思い描いた人物の一人がいました。
第一営業課社員・汀夕鈴。

「…おい、一体何の騒ぎだ?」

ホールに凛とした声が響きます。
第一営業課課長・珀黎翔。

噂をすればなんとやら、
二人がその場に揃いました。

その時、自動扉が開き、男が一人入ってきました。
皆が興味津々で見ている狼と兎に視線もくれず、真っ直ぐにフロントに向かってきます。
男はフロントの傍にいた夕鈴の横を通り抜けると、すぐ向きを変え彼女を後ろから羽交い絞めにしました。

「――きゃあ!!」
「全員動くな!…動くとこの女の命はないぞ!!?」

夕鈴の悲鳴と、男の叫びが響きます。
彼女の首元に当てられているのは、鋭利な刃物です。
自分の身に起こっている事に驚愕し、首に当たる冷たい感触に恐怖している夕鈴を拘束したまま、男は社長を出すように要求しました。

「早く連れてこい!この女がどうなっても良いのか!?」

彼女の白い首筋に、薄い線が走り、赤い血が滲んできました。

「汀さん!!」
「夕鈴さんっ!」
「――夕鈴っ!!」

悲痛な叫びに、狼の耳がピクリと反応しました。
彼はスッと立ち上がると、一直線に駆け出します。
夕鈴を拘束している男に、背後から飛び掛かりました。

「うわ!?」
「きゃ…!」

予期せぬ攻撃に驚いた男の拘束が緩み、夕鈴は突き飛ばされるように床に倒れ込みました。

「大丈夫か!?」

すぐに珀課長が駆け寄り、抱き起してくれました。

「な、何だ?こいつ!?やめろおお…!!」

ガウガウと襲い掛かられ、男はパニックになっています。
狼の鋭い爪と牙が、男に大怪我を負わせると誰もが思いました。

その時、茶色い毛並みの兎が、ぴょんぴょんと駆けてきました。
そして兎は、男に襲い掛かっている狼の背中にぴょんと乗っかりました。
鼻先を押し付けて、何かを伝えているようにも見えました。

グルルル…と喉を鳴らし、狼が大人しくなりました。
男は命に別状はない様子でしたが、狼に襲われたという恐怖から意識を失っておりました。

狼の背から降りた兎と、鼻先をこちらに向けた狼を、床に座り込んだまま抱き合っている珀課長と夕鈴は見詰めます。
「――ありがとう。」
「助けてくれてありがとうございます。」

お礼を言った二人に、二匹は何だか笑ってくれたようでした。

二匹が去った後、エントランスホールはまたいつもの状態に戻りました。

「…一体何だったんだろうな?」
「さあ…。」

けれど、仲良く寄り添いながら帰っていく二匹の後姿を見ていると、何度かとても温かい気持ちになりました。


「ごめんね、夕鈴…。あんなところ見せちゃって…」

おおかみは、人間を襲う荒々しい自分の姿をうさぎに見せてしまった事を後悔していました。
大好きなうさぎと同じ名を持つ人間の女。
そして、彼女をとても大切にしているらしい、自分と同じ紅い瞳を持つ人間の男。

『夕鈴』と、男が叫んだ時、助けなければと思ってしまいました。

うさぎは、フルフルと首を横に振りました。

「助けに行った黎翔さんは、とてもカッコ良かったです。」

うさぎの笑みは、おおかみにとってなによりの褒美でした。

「人間にも、優しい人達がいるのが分かって嬉しいです。」

もちろん、そうでない人間もいるでしょうが、『かいしゃ』と言う場所にいた人間達はとても優しかったと兎は思います。

けれど、自分達が生きる場所はやっぱり緑溢れるあの森の中。
人間の世界で生きるには、窮屈過ぎると二匹は思いました。

「――帰ろう、夕鈴。僕たちが生きる場所へ…。」
「はい、黎翔さん。森に帰りましょう。」

二匹はじゃれ合いながら、森の中に帰っていきました。


END



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  • 2013.10/06 23:22分 
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Re: お願いに参りました。 

慎様

こんばんは、コメントありがとうございます。
普通の話はまだ書けないけれど、お遊びなら書けるかなと思い、頑張ってみました。
どうして都会の真ん中のオフィスに、狼と兎がいるんだ?どうやってここまで来たんだ?とか、突っ込みどころ満載の話ですが、好評のようでホッとしてます(^^♪

コラボですか!?
失礼な事など、全くないです!
凄く光栄です~\(~o~)/
慧ネンなんかで良ければ、良いですよ♪
よろしくお願いします。
メールしたら良いですか?
  • posted by 高月慧ネン 
  • URL 
  • 2013.10/07 00:13分 
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  • 2013.10/07 00:44分 
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  • 2013.10/07 09:21分 
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  • 2013.10/07 22:18分 
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Re: NoTitle 

慎様

メールしました(^^♪
何にしましょうねえ?
コラボ初めてなので、悩みます…<m(__)m>
案、送ってもらえますか?
  • posted by 高月慧ネン 
  • URL 
  • 2013.10/10 01:15分 
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Re: NoTitle 

ぷーちゃん様

お久し振りです(^^♪
変わりないですよ~\(~o~)/

ちょっとコラボで遊んでみました♪
好評で良かったです。
人間の二人はまだまだですが、動物の二匹はほのぼのだけど、ラブラブですよ♥


  • posted by 高月慧ネン 
  • URL 
  • 2013.10/10 01:18分 
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Re: 可愛い♡ 

風花様

こちらこそ、こちらでは初めまして♪
某所ではお世話になっています。

小説が書きたいのに、書けないというスランプ状態の中、ちょっと遊んでみました。
ホント有り得ない内容ですが、受け入れてもらえてとても嬉しいです。
沢山拍手して頂いてありがとうございます!

人間の二人より、動物の二匹の方がラブラブなので、イチャイチャしてますよ♪
(人間の二人は、まだ付き合っていない頃の設定です。)

お仕事?学校?頑張って下さいね(^^♪

  • posted by 高月慧ネン 
  • URL 
  • 2013.10/10 01:28分 
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