兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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可愛い部下の、好敵手(ライバル) 後編

後編です。

後編のはずなのですが…。
あれ?

内容が無いです。(いつもの事?)
捏造いっぱいです。
色々おかしな所がありますが、気にならない方だけどうぞ!





可愛い部下の、好敵手(ライバル) 後編


過労で倒れた夕鈴は翌日熱を出し、結局一週間近く寝込んでしまった。

「そっか、決まっちゃったのね…。」

その間にも例のプロジェクトは進み、企画案は方淵のものが採用されたと明玉が教えてくれた。
そう簡単に自分のものが選ばれるとは思っていなかったが、せっかくあんなに頑張ったのに、最後まで参加出来なくて夕鈴はとても悔しかった。

「…もう少し悔しがると思っていたのに。」

向かいに座る明玉に意外そうに言われて、彼女が作ってくれた晩ご飯を食べながら、夕鈴は心外だと頬を膨らます。確かに悔しいと言う気持ちもあるが、今の自分が方淵に敵う事はないと分かっている。
もっと仕事が出来るようになって、いつか必ず見返してやりたい。
彼とは、良い好敵手(ライバル)になれそうな気がする。

それよりも今、夕鈴が一番悩んでいる事。
それは、課長の期待に沿えなかったと言う事。

せっかく今回のプロジェクトメンバーに選んでもらったのに、その力になれなかった。
おまけに自己管理が出来ていなくて、体調不良で一週間も休んでしまった。
その間に、夕鈴がしなければならなかった通常業務も、一課の皆が手分けをしてこなさなければならなかったはずだ。この忙しい時期に、皆に凄く迷惑を掛けた。

明日の一週間ぶりの出勤が、少し怖い。

「な~に言ってんの!あんたが一生懸命努力して頑張った事、みんな知ってるよ!」

親友が笑ってそう言ってくれるのが、すごく嬉しかった。


「色々ご迷惑をお掛けしました。」

翌朝出勤してすぐ、夕鈴は朝の挨拶もそこそこに真っ直ぐ課長の元へ向かい、そう頭を下げた。
忙しそうに種類を捲っていた彼は動きを止め、チラリと夕鈴を見上げてきた。

「…もう体調は良いのか?」
「はい。」
「そうか、なら良い。」

そう言って口を閉じた後、再び彼は何か言おうとした。けれどそれを聞く前に、夕鈴は「失礼します」とそこを離れた。何を言われるのかが、正直怖かった。

その日夕鈴は、溜まっていた仕事を片付けるのに忙しかった。
何しろ一週間分の仕事。
どうしても彼女自身じゃないと片付ける事が出来ない内容もあるわけで。
けれど、皆がフォローしてくれていたお蔭で、その量はかなり少なくて済んだ。

その数日後、年末の繁忙時期が来る前に一課の面々で少し早い忘年会をすることになった。
少し遅くなったが方淵の歓迎会も含まれていて、花の金曜日の業務終了後に有名な居酒屋で開催される事になっていた。

方淵の態度は相変らず…と言うか、彼はもう夕鈴に興味を示さなくなっていた。
良く睨まれたりしていたが、今はそれすらもない。
良い好敵手(ライバル)になれるかもと思った夕鈴に対し、彼は夕鈴の力量を見切り、取るに足らない存在と思ったのだろう。
眼中にさえ無いような感じだった。

そして、当日。

「え?…今夜参加しないの?」

昼休み、食堂で不参加を伝えると、明玉は驚いたように夕鈴を見た。

「うん。まだ仕事片付いてないし。明玉は楽しんで来てね。」
「ええ~?参加しなよ!せっかく一緒に飲めるの、楽しみにしていたのに。」
「ごめん…。」

がっくりと肩を落とした明玉は、大きな溜息を吐き。

「…課長の事?」

そう、周囲に聞こえないように小声で聞いて来た。
夕鈴はドキリとする。
大親友の彼女にも、その事は何も話してなかったのに。

「…ちょっと今、仕事以外で会いたくないと言うか、何て言うか…。別に、嫌いになったとか、そう言う訳じゃないんだけど…。」

夕鈴自身も、今の自分の気持ちが良く分からなくて、言い淀む。

体調が良くなってから、課長から何度か一緒に食事に行こうと言う誘いがあった。
けれど夕鈴は色々理由を付けて、それらを全て断っていた。
会いたいけれど、二人だけで会うのは怖い。
何か言われるかもと、そう思うと会いにいけない。

「課長は、あんたが忘年会に出ないって知ってるの?」
「…一応、仕事が残っているから無理ですって伝えてあるけど、終わったら来いって言われてる。」

白陽コーポレーションは、基本残業は禁止だ。どうしてもしなければならない場合は、直属の上司の許可がどうしても必要になる。だから仕事があるので行けないと伝えたら、即課長にそう切り返された。

「――で、終わったらそのまま帰ろうと思っているわけだ。」
「う……。」

その通りなので、夕鈴は何も言えなくなる。
課長にも会いたくないが、方淵にも仕事以外で会いたくないので、内緒で帰ろうと思っていた。

「気持ちも分かるけどさ、今のままだと何も変わらないんじゃない?」

明玉のその言葉が、何故かやけに心に響いた。

業務終了時刻の17時になると、残業をしない者は早々と一課を出ていく。
忘年会は19時からなので、女性陣は一度自宅に帰って汗を流し、念入りに化粧をして向かうつもりなのだろう。
課長も含め数人が残っていたが、一人二人といなくなり、一課に残っているのは4人だけになった。

「課長、そろそろ行きませんか?」

時計を見た男性社員が、そう声を掛ける。
時刻は18時を回っている。込み具合も考えて、そろそろ出ないと間に合わない。
一応、年度末の締め括りの忘年会及び、部下の歓迎会。
何か緊急の仕事が無い限り、課長が参加しないと言う訳にはいかない。

「汀も早く来いよ。」
「お疲れさん。また後でな。」

ポンポンと夕鈴の肩を叩いて、一課を出ていく先輩方。
コートを着て帰り支度をした課長が傍に寄ってくる気配を感じ、夕鈴は視線を下げたままドキドキしていた。

「…汀。」

優しい声に思わず顔を上げると、課長の宝石のような瞳がじっと自分を見つめていた。

「待っている。」

クシャリと、彼の大きな手が頭を撫でてくれた。
課長はそのまま夕鈴に背を向け、一課を出ていく。

食事のお誘いも断り続け、ここ数日素っ気ない態度を取っていた自分に何も言わず、そう優しい言葉を掛けてくれた課長。

ジワリと滲んだ涙で、彼の後姿がぼやける。

「課長、ごめんなさい…。」

その姿が完全に見えなくなって、夕鈴はポツリと呟いた。


END

あれれ?
終わりのはずなのに、やっぱり終わらなかった

…続きます。


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