兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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上司と部下、そして好敵手(ライバル)の事情

このお話は『可愛い部下の、好敵手(ライバル)』『上司と部下の、変化する関係』のおまけ話になります。

結局、夕鈴と方淵はどうなったのか?
初のお泊り(←違う?)の顛末は?

書きたかったけれど、本編に掛けなかった事を全部つぎ込んでみました。

お暇な方だけどうぞ(^^♪

※タイトルが…タイトルがぁ…!
相変らず酷すぎるm(__)m
だって思いつかないんだもん(*_*;





上司と部下、そして好敵手(ライバル)の事情


週明けて、月曜日。
何となく、課長と顔を合わせ辛いなあと思っていたら。

「…あ。」
「む。」

角を曲がった所で、彼とばったり鉢合わせしてしまった。

一緒にいた明玉は、「じゃあ、先に行くね~。」と手をひらひらさせながら行ってしまう。
出社してくる沢山の社員が行き交う通路の隅で、まるで内緒話をするように二人は会話する。

「…こないだは、すみませんでした。」
「いや。」
「土曜日の朝、ちゃんと帰れました?」

雪が積もっていたので、無事に自宅まで帰り着けたかなと夕鈴は心配だった。

「大丈夫だ。タクシーがすぐに拾えたからな。」

自宅に帰らず親友宅で飲んだくれていた事実を知られるわけにはいかないと彼が思っていた事など知らず、彼女はホッと息を吐いた。

課長にも顔を合わせ辛かったが、こちらは出来れば顔を合わせたくなかったと思わず表情が歪んだらしい。

「…朝から見苦しい顔をしておいでで。」
「方淵さんも相変わらずですね。ほっといて下さいます?」

課長と別れてすぐ鉢合わせした方淵と、夕鈴の間にバチバチと火花が散る。

彼が自分の事を快く思っていないと言う事は知っているが、朝からこれかと夕鈴は嫌になる。
もうちょっとこう、言い方と言うものがあるのではないかと憮然としていると。
彼の表情が、少しだけ改まった。

「…貴女の企画案を、課長に見せて頂いた。」

突然の言葉に、夕鈴は目を見開く。
課長が、あのプロジェクトの企画案を、方淵に見せたと言うのか。それを見て、やっぱり自分の存在を認める事は出来ないと言うのだろうか。

「…貴女が社のため、しいては課長のために自分なりに頑張っていると言うのなら、私の発言は不適切だった。申し訳ない。」

「は?はあ…。」

頭を下げた方淵の旋毛を見ながら、夕鈴はポカンとする。
意外だった。
彼の方から、謝罪をしてくるなんて。頭を上げられるなんて。

「――だがっ!私は貴女を認めたわけではないからなっ!私の方が、課長のために日々何倍も努力をしているっ!貴女になど、負けるつもりはないからなっ!!」

何?その仏頂面。
全く、謝ってもらっている感じがしないんだけど。
――でも。

「あは、あははっ…!」

夕鈴は思わず声に出して笑ってしまった。
彼も自分と同じように課長のために頑張っている。
それなら。
やっぱり彼とはいい好敵手(ライバル)になれそうだ。

「…気持ち悪い顔で、笑わないで頂きたい!」

――相変らず、性格は最悪だけど。


始業ベルが鳴り、今日も忙しい一日が始まった。

黎翔はふと顔を上げて、周囲を見渡した。
何だか部下達の様子がおかしい。
いや、仕事はきちんとしている。彼らの指は忙しなくキーボードを叩いたり、書類を捲ったりしている。
なのに、時々感じるこの視線。

ニヤニヤ?
ニタニタ?

何だ?と思って顔を上げると、それらはフッと逸らされる。
気のせいかと思ってパソコン画面に視線を戻すと、またチラチラと窺うように向けられる。

一体、何だって言うんだ。

妙に気持ち悪くて、黎翔は朝から戸惑っていた。
彼らのその視線の原因は、その日の昼休みに判明する事になる。

黎翔は社内にいる時には、大抵食堂で昼を食べるか、部下数人と近くに食べに出る。
休憩時間には、『彼らの上司』としてではなく、同じ職場に勤める一人の人間としてコミュニケーションを取っていた。

数人の男性社員とテーブルを囲っていると、何やら興奮気味の表情をした女性社員数人がやって来た。

「課長っ、聞きましたよ!ついにお泊り実践したんですって!?」
「――っっ!!?」

息急いてやって来た彼女達の言葉に、黎翔は飲んでいたお茶で思い切り咽てしまった。

「げほっ、げほっ…。お前達、何でその事を知って…。」
「キャ――っ!ホントだったんだ――♥!!」
「…………。」

黎翔は自分で墓穴を掘ってしまった事に気付いたが、時すでに遅し。
彼女達の質問攻めにあう羽目になる。
同じテーブルに付く部下達に助けを求めるように視線を向けても、彼らも興味津々という感じでニヤついている。
――知っているのだ、彼らも。
朝からの意味深な視線はこのせいかとようやく合点がいく。

さっさとその場から逃げ出せばよかったのに、黎翔はそのタイミングを完全に逃してしまった。

そのテーブルから、大分離れた隅っこの席。
ちょうど手前にある大きな観葉植物で、課長がいる席からは顔が隠れる場所。
そこには、居た堪れないもう一人の女性社員が座っていた。
仲の良い女性社員数人といる夕鈴は、顔を真っ赤にして俯いていた。

「…賑やかねえ。」

ドッと笑い声が起こるとても騒がしいテーブルを見て、彼女と共にいる女性達が楽しそうに笑う。

「何でバレちゃったんだろ…。」

泣きそうになっている夕鈴に、明玉が呆れたように止めを刺す。

「あんた、朝あんな人通りの多い場所で、課長とその話ししてたでしょ?…誰にも知られたくないなら、不用心な会話は避けなさい。」

二人の会話を耳にした誰かが広めてしまい、噂になってしまったのだろう。
そこに悪意はなかったとしても、噂と言うものは恐ろしい。
一課以外の社員も、興味津々で夕鈴や黎翔を見ている。

必死に弁解しているらしい課長の横顔が、少し赤くなっているのを見て、夕鈴は彼に迷惑を掛けてしまったと心底悔やむ。

そんな夕鈴がいるテーブルを傍を、物凄く嫌そうな表情をした柳方淵が彼女を睨みながら通り過ぎて行った。


END


会社のため、課長のために頑張る。
思いは同じ二人。
認めたくないけれど、認めずにはいられない。
そんな関係。

↑こういうのを書いてみたかったんです(^_-)-☆


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