兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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上司と部下の、初デート 1

こんばんは(^v^)

ようやく始動しました!
上司と部下シリーズ デート編(または恋人編)です(^^♪

このお話を書き始めたのは去年の七月。まだ二人の関係は全く進んでいませんでした。
いつかく事が出来るか分からない、けれど今書かないと忘れてしまいそう…。
そう思い、SNSにて白友様限定で連載していました。(まだ連載途中ですけど…。)

二人の間に色々な事があって、少しだけ近付いたり、また離れたり。
内容が噛みあっていないところは出来る限り修正してみましたが、基本的にはほとんど変わりがありません。
もうすでに読んでいるという方はスルーして下さいね(*_*;


***



上司と部下の、初デート 1


「――汀、明日ちょっと付き合ってくれ。」

直属の上司にあたる課長にそう言われたのは、昨日の業務終了後。
誰もいない、営業一課内でだった。

階段から落ちて怪我をした夕鈴が、職場復帰しほぼ半月が過ぎ、季節は春・四月。
高校卒業後白陽コーポレーションに入社し、早や二年が経とうとしていた。
夕鈴達の後に後輩も増え、卵からひよこになった彼女達は、新人達の教育も少しだが任されていた。

入社式の時に一目惚れした、営業一課課長・珀黎翔と夕鈴の関係は、たまに二人で食事に行ったり、事情があって少しの間同居したりと、少し進展があったように見えるのだが。
如何せん、二人の関係は未だ同じ職場に勤める上司と部下のままだった。

『どーしてあんた達は、全く進展が無いの!?せっかく一緒に食事に行ったり、一緒に暮らしたりしていたのにっ!…全く何もしないなんて、ああ!課長のバカ!!もっと色っぽい話は無いの~~!!?』

待ち合わせの駅前で黎翔を待ちながら、夕鈴は親友明玉の言葉を思い出し、頬を少し染めて剥れていた。

(…色っぽいって何よ、明玉のバカ!)

課長は時々笑顔を見せてくれるが、食事をする時の会話と言ったら専ら仕事の話ばかり。
最初の頃に比べたら、お互いの趣味の話などもする事が増えたが、仕事の話をする時ほど饒舌ではない。
夕鈴と一緒にいる時も、課長はいつもと変わらない様子だ。きっと彼は共にいても何とも思っていない。

(どうせ色気なんかないわよ…。)

今日付き合ってほしいと言ったのも、きっと仕事がらみの事なのだろう。
普段通りのスーツを着てきた夕鈴は、私服姿で楽しそうに歩いていく人々を羨ましげに見つめていた。

約束の時間を過ぎても彼は来なかった。
遅いな…と思いながら待っていると、目の前に一台の車が横付けされる。見た事ある車体と色。彼が良く乗っている愛車だ。

駆け寄り、扉を開けた夕鈴は少し目を見張る。
運転席の彼は、いつものスーツ姿ではなく、最近ようやく見慣れてきた私服姿だった。

「…悪い、遅くなった。」

助手席に乗り込んできた夕鈴に、黎翔は謝る。
出掛けに李順から電話があり、少し時間を取ってしまった。

「いいえ、そんなに待ってないですし…。」

そう言う彼女を見て、黎翔はがっくりと肩を落とす。

「…お前、何でスーツなんだ…?」
「え?…これからお仕事でどこか行くんですよね?」

不思議そうに聞かれて、黎翔は彼女にきちんと説明しなかった自分を恨む。

「…?」

彼がかなり凹んでいる理由に、彼女は気付かない。

首を傾げている夕鈴を見て、黎翔は「よし!」と気合を入れる。
奇しくも、最初の行き先が決定した。

「課長、ここ…」
夕鈴は不安げな声で呟いて、キョロキョロと辺りを見渡している。

「良いから、ついて来い。」
彼女の腕を引き、黎翔はずんずんと奥に進んでいった。

黎翔が夕鈴を連れてきたのは、何だか高そうなブティックだった。
何気なく商品の値札に目をやった夕鈴は、卒倒しそうになる。
普段はユニ○ロか、デパートのバーゲンセールで買った服しか着ない彼女には、到底手が届かないほど高い。

蒼褪めている夕鈴をよそに、黎翔は楽しそうに何着か選び試着を進めてくる。そして、着替えた夕鈴の姿を見て、満足そうに微笑んだ。

「…良し、これにしよう。」
何だかニコニコしている定員さんに、「着ていくので」と値札の取り外しを頼んでいる。

夕鈴のスーツが入った紙袋を手に、レジに向かう黎翔の後を追う。

「あ、あの…。私買います、いくらでしょうか?」

とても優しい手触りの、花柄ワンピース。凄く可愛いくて気に入ったけど、値段を聞くのが怖かった。

(私に払えるかな…?)

不安になりながらそう聞くと、黎翔は少し不機嫌な顔で振り返った。

「馬鹿言うな。…私が払う。」
「でもっ…!」
「私の方が年上で、男なんだから。こういう時は、そう相場が決まっている。」
「年上とか、男性だからとか関係ありません。…私の服なんだから、私が払うのは当たり前ですっ!」
「だからっ…!」

食い下がる夕鈴に、黎翔はついムキになって声を荒げた。

「…デートの時に着る服くらい、払わせろって言ってるんだ!」

シーン…と、辺りが静かになる。
周囲にいた客達も、目を点にしている。

「――っ…。払ってくる。」

ハッと我に返った黎翔は、くるりと背を向けてレジに向かっていく。
その彼の耳が、熟れた林檎のように赤い。

ポカンとしていた夕鈴は、彼の言葉の意味を考えて。

「………っっ!!」

(え?…それって、それって…!)

今日のお誘いが、デートだった事にようやく気付いた夕鈴は、食べ頃の桃のように頬をピンクに染めた。


続く


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Comment

 

以前、男の人が服をプレゼントした場合、その服を脱がせたい願望があると聞いた事があるのですが…( ̄ー ̄)

もしかして部長も…キャ~(*≧∀≦*)

春部屋はありますか~( 〃▽〃)(・д・ = ・д・)ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ
  • posted by みのだまま 
  • URL 
  • 2014.08/10 14:16分 
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  • [Res]

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  • posted by  
  •  
  • 2014.08/11 12:35分 
  • [Edit]
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Re: タイトルなし 

みのだまま様

コメントありがとうございます~(^^♪

この話を書き始めた時、慧ネンには全くその気はなく、ただスーツ姿の夕鈴に課長が私服をプレゼント…という気持ちでした。
でも課長は、心の奥でそう思っていたのかもしれませんね(^v^)
策士ですから(笑)
春部屋?う~ん…、期待はしないで下さいm(__)m
  • posted by 高月慧ネン(みのだまま様へ) 
  • URL 
  • 2014.08/18 17:47分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: No title 

ますたぬ様

台風は特に何の被害もなく過ぎました。長雨続きで、洗濯物がなかなか乾かないのが悩みですね(*_*;

SNSのSS読み直してきたのですか!?
恥ずかしい…。
今回はあの先も書こうと思っているのですが、あまり期待はしないで下さいねm(__)m
  • posted by 高月慧ネン(ますたぬ様へ) 
  • URL 
  • 2014.08/18 17:51分 
  • [Edit]
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