兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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夕鈴、小犬を拾う 1

こんばんは、慧ネンです。
最近また更新停滞してます。申し訳ありません(*_*;

取り敢えず書ける話を書こうとしたら、出来上がったのは新たなリクエストSSでした☆

しかも未消化が多いのに、一番最近に受けたリクエストです。
長らくお待たせしているリク主様方、本当にごめんなさいm(__)m
どんなに時間が掛かっても、頂いたリクは必ず消化しますからね!

今回のお話は、SNSの慧ネン宅にて大台10000hitを踏まれました、からあげ様から頂いたリクエストです。
元はリク主様ご本人が描かれた素敵イラストに慧ネンが萌えて、勝手に送り付けた妄想SSでした。
その続きを読みたいと仰られたので、妄想してみたら読み切りSSが新たな物語に。
と言う訳で、しばらく続きます。書き上がり次第、順次アップしますね~(^^♪

では、どうぞ!

***



夕鈴、小犬を拾う 1

夕鈴はバイトの帰り、いつも横切る公園のベンチに、誰かが座っているのが見えた。
それ自体は特に珍しくない。
誰かと待ち合わせをしているのかもしれないし、ただ休んでいるだけかもしれない。
なのに気になったのは、今は夜の九時過ぎで、雪が降っていたから。

とても寒いのにその男性は薄着で傘もさしていない。
彼の頭の上には、うっすらと雪が積もっていた。

人通りの無い公園の地面にも雪が積もり始めていて、夕鈴はザクザクとそれを踏みしめながらベンチに座る彼に近付いた。

ぼんやりと下を見ている男性に、そっと傘を差し出す。

「…どうしたのですか?」

声を掛けると、男性はのろのろと顔を上げ、夕鈴を見た。

思った以上に若い。
自分と同じくらい、もしくは少し歳上かもしれないと夕鈴は思う。
余計な詮索はしない方が良いと思うが、どうしても気になってしまった。

宝石のような紅い瞳が、ぼんやりと見つめてくる。
背も高くて年上っぽいのに、何故か耳と尻尾を伏せた子犬に見えた。


――何故、こんな所にいるのだろう?

気が付けば、街の薄暗い路地裏に倒れていた。
ズキズキと痛む後頭部を押えながら、何とか身体を起こす。
見知らぬ場所、どの景色も彼の記憶の中にはなかった。

こうなるに至った経緯を知りたくて、記憶の糸を手繰り寄せようとした時、自分の名前すら思い出せない事に気付き愕然とする。

ここは何処で、自分は一体誰なのか。
不安になり、何か手掛かりなるものはないかと思いながら、一人街を彷徨い歩く。

そして、夜の帳が降りる頃。
沢山考えて、散々歩き回ったけれど、結局何も思い出せなくて疲れ果てて公園のベンチに腰を下ろした。

お腹も減ったけれど、財布は持っていない。
コートも着ていなくて、マフラーも手袋もなく、とても寒い。
視界に白い物が映り顔を上げると、雪が舞い降りてきた。

どうする事も出来なくて、白い息を吐きながら、ただ降り積もる雪を見ていた。

寒さで悴んだ手も身体も、これ以上動かせない。
とても疲れて、すごく眠い。

もうこのまま、この雪に埋もれてしまえばいいと思い始めて視線を下げた時。
フッと、冷たい雪が止んだ。

黒の革靴、黒いハイソックス。
膝より少し上までしかないスカートに、暖かそうな黄色のセーター。
視線を上げると、赤いマフラーを着た高校生くらいの女の子が目を真ん丸にして自分を見詰めていた。
降り積もる雪が止んだのは、彼女のピンク色の傘が差し出されていたから。

「どうしたのですか?」と聞かれて、正直に分からないと返す。
今分かっているのは、住んでいる場所どころか、自分の名前すら思い出せないという事。

これから、一体どうしたら良いのだろう。

その時、彼女が手を差し出した。

「――良かったら、私の家にどうぞ。」

その手を取ってのは、彼女が敵ではないと思ったから。
どうしてだろう?
何故か、そう思えた。


雪がチラつく寒い冬の夜、私は一匹の子犬を拾った。

「私は夕鈴と言います。…まずは貴方の、お名前を決めなくてはいけませんね。」
「…好きに呼んでくれて良いよ?」

何もかも忘れてしまった、不思議な男性(ひと)。

一人暮らしのアパートに男の人を連れて行くなんて、家族や友人たちが知ったら卒倒されるかもしれないけれど、彼を放って行く事なんて出来なかった。


続く

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  • posted by  
  •  
  • 2014.10/20 09:42分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: タイトルなし 

羽梨様

いつもコメントありがとうございます!
慧ネンが書く拙い現パロで、少しでも楽しんで頂ければ嬉しいです(^^♪
小犬黎翔さん、妄想が膨らんでしまいました。
しかも記憶が無いので、名前も『黎翔さん』ではないんですよね☆
ラストまでは時間かかるかもしれませんが、のんびりお付き合い下さいませ(^o^)丿
  • posted by 高月慧ネン(羽梨様へ) 
  • URL 
  • 2014.10/22 02:10分 
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