兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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夕鈴、小犬を拾う 4

こんばんは、慧ネンです。
もうすぐ日付が変わる時間ですが、小犬最終話をお届けします(^◇^)

リク主・からあげ様の素敵イラストを拝見して、妄想から始まったこのお話。
一旦ここで終了しますが、内容的にはまだまだ続きますのでお付き合い頂けたらと思います。

明日はハロウィンですね。
ハロウィンか…。そうか…。
何か書きたい所ですが、時間的には無理?短編なら何か…。いやいや無理だよ。
以前のようにサクッと何か書けたら良いんですけどね~(*_*;

では、どうぞ!

***



夕鈴、小犬を拾う 4


時間はもう日付が変わろうという頃。
明日のためにそろそろ寝たいところだが、困った事に今ある布団は一式だけ。

夏ならばタオルケット一枚で雑魚寝でも十分だけど、季節は冬。ヒーターを入れてもさすがに布団無しは辛い。
押し入りに片付けている布団を引っ張り出すと、シロはコタツから出てその上にダイブした。
毛布に包まり、「温かい~。」とご機嫌である。

怪我人であるシロに自分の布団を譲る事に決めた夕鈴は、そんな光景を微笑ましく思いながら布団を敷くために隅に寄せたコタツに足を入れた。

「…?どうしたの夕鈴。こっち来ないの?」

いつまでたっても布団に来ない夕鈴に、上半身を起こしたシロが不思議そうに聞く。

「あ、今布団がそれしかないからシロが使ってね。私はここで寝るから。」
「えっ!?」

驚愕に目を見開くシロ。

「何で?一緒に寝たら問題ないでしょ。」
「いやいやいや!問題ありありでしょう!?」

弟・青慎とはくっついて寝る事もあるが、シロは男の人で、しかも家族ではない。

「じゃあ僕がそっちで寝るよ。」
「馬鹿な事言わないで。怪我人に無理させられないわ。」

押し問答になり、シロが「夕鈴が一緒に寝ないなら、僕もここでは寝ない。」と子供染みた駄々を捏ねて結局。

「二人でくっついて寝たらすごく温かいね。」
「ソウデスネ。」

今の状況を冷静に考えると凄い事かもしれない。
出会ったばかりの男性と、同じ布団で寝るなんて。(本当にただ寝ているだけだが。)
父や友達に話したら何て言われるだろうか?

(きっと危機感無いって馬鹿にされるんだろうな…。)

でも。

夕鈴は幸せそうな表情で目を閉じているシロを見つめる。
大きい身体を丸めて甘えるように、スリスリと擦り寄ってくるシロ。
怪我のせいなのか彼の体温は少し高く感じて、今夜のように寒い夜には確かに温かい。

ふわふわの耳がぴくぴく動いているように見えて、思わず手を伸ばしてシロの頭を撫でてやった。

「…何?」

方目を開けたシロが、不思議そうに聞いてくるのを苦笑いしながら誤魔化した。
まさか、本当に拾ってきたペットと一緒に寝ているみたいだと思ったなんて言える訳ない。

「…明日は、沢山行くとこあるから早く寝ましょう?」
「うん。そうだね…。」

そう答えながらも、シロはもっと夕鈴と話したいと思った。
けれど、記憶を失い、一日中当てもなく彷徨い歩き、彼自身が自分で思っていた以上に、身体は疲れていたらしい。

時々頬に当たる彼女の長く綺麗な髪が、くすぐったいけど気持ち良い。
すぐ隣にいる夕鈴から、甘く優しい香りがする。
トロトロと、瞼が下がってきて。けれどこれからしばらくお世話になる彼女に、大事な事を言っていなかったと、シロは頑張って夢現のまま口を開く。

「…よろしくね、ゆ~りん…。」

舌足らずの子供のように呟いて、彼はすとんと眠りに落ちてしまった。

くうくうと規則正しい寝息を聞きながら、夕鈴はホッと息を吐く。

可愛い子犬のようなのに、時々獰猛な狼の雰囲気を漂わせるシロ。
名前も素性も分からない、本当に不思議な人。

早く記憶を取り戻せたらいいと思う反面、焦らずゆっくり、少しずつ思い出せば良いのでは?と思ってしまう。
どちらにしろ、今夜はもう寝るだけだし、全ての事は明日から。

明日が土曜日で学校が休みで良かった。
バイトは夕方からだし、それまでに全ての用事を終えてしまおう。
忙しくなりそうな明日に備え、早く寝ようと夕鈴は瞳を閉じる。


――私と彼の、共同生活が始まった夜。
雪は、止む事なく降り続いた。


END

からあげ様、素敵なリクエストをありがとうございました♪

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原作沿いや現代パラレル、色々ありますので、お好きなお話をお読み下さい。
よろしくお願いします。

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