兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

可愛い部下は、○○上戸で甘え下手 中編

こんばんは。慧ネンです。
リクエスト小説の続きをお届けいたします。
リク主・あさ様にはすでに先行配信済みです(^v^)

そして、前後編で終わる筈が、終わりませんでした。
誰だよ、次は後編って言ったヤツ…。慧ネンか…(*_*;
と言う訳で、中編になります。すみません。

注意事項
二人は付き合ってます。
名も無いオリキャラが出ます。
そしてリク内容から大きく掛け離れて行ってます。


どんな話でもOKと言う強者のみお進み下さい。


***



可愛い部下は、○○上戸で甘え下手 中編


駅前のパーキングに停めた車から降りた黎翔は、溜息を吐きながら周囲を見渡す。
すぐ分かると言われた通り、最近出来たという居酒屋はすぐに見付かった。

恋人にデートをドタキャン(?)された彼は不貞腐れて、土曜日なのに社に出勤していた。
どうせ帰っても夕鈴はいないし、夜は彼女を迎えに行くつもりなので酒を煽る事は出来ない。
他にする事もなくつまらないので、遅くまで仕事をしていた黎翔の携帯に部下の一人明玉から連絡が来た。

『課長!今どこですか!?…会社!?土曜日に仕事してるんですか!?まあ良いです、今からすぐにここに来て下さい!!すぐにですよ!来ないと後悔しますからね!!』

夕鈴と一緒に飲み会に参加しているはずの彼女はすごい剣幕で、居酒屋の場所を言って電話を切った。

一体何があったというのか、そんなふうに言われたら夕鈴に何かあったのかと不安にもなる。
居酒屋に着いた事を明玉にメールで知らせて中に入ると「いらっしゃいませ~」と店員の威勢のいい声が飛んできた。奥からムスッとした表情の明玉が歩いて来たので、近寄ってきた店員の案内を断る。

「何かあったのか?」

主語はないが、『夕鈴に』と言う事だ。

「何かあったのか?じゃないですよ!」

そんなに心配なら、泣かせなきゃ良いのにと、並んで歩きながら明玉は悪態を吐く。

「夕鈴が泣き止まなくて、大変なんですから。」

ブツブツ文句を言われて、泣きたいのはこっちだと黎翔は思う。
デートはドタキャンされるし、他の男と飲みに行くと言うし。
夕鈴は、こっちの気持ちを全く分かってない。

言葉にはしなかったが、苦い思いが顔に出ていたのか、「そんな事、最初から分かっていた事でしょう!?」と怒られた。

泣き続ける夕鈴が可哀想になって、自分達の上司であり彼女の恋人の珀課長に電話を掛けた。
呆れた事に土曜日のこんな時間(20時くらい)に職場にいるという彼を、強制的に迎えに来させる。

いつも自信満々で出来る男!と言う感じの課長だが、今夜の彼はちょっとだけ情けない表情をしている。
本当に今更だ。夕鈴が鈍いのも、恋愛に奥手なのも全て分かったうえで、付き合っているんじゃなかったのか。
調子に乗っている男共に、夕鈴が誰のものなのか分からせないといけないと言うのに。全く…。

課長に連絡して通話を切ると、明玉の剣幕に引いたりポカンとしていた周囲が、我に返ったように騒がしくなる。

「え?夕鈴の彼氏来るの!?」
「ってか、課長って…。あんた夕鈴と同じ職場だよね。夕鈴の恋人って課長さんなの!?」
「ど、どんな男なんだ?」

興味津々、怖々と聞いてくる同級生達(主に男子)に明玉はにやりと笑う。

「…あんた達なんか足元にも及ばないくらいの、良い男よ。」

そう言ったのに、これじゃあね…溜息を吐いた明玉は、隣を歩く長身の課長の顔付が変わった事に気付いた。

部屋に近付くにつれ、喧噪が大きくなる。
子供のような泣き声と、宥める男女の声。
そして。

「…な、だから言ってるだろ?そんな男やめて、俺にしろって。」
「馬鹿言うな、俺の方が良いぞ!」

調子に乗っている男子と、「まだ言ってるよ。」と呆れる女子の声。

部屋から漏れる言葉に、彼の眉間に深い皺が寄った。

あ、これは怒ってると思った瞬間、課長はガラッと扉を開けてしまった。

騒がしかった室内がシン…と静まり返り、皆の驚愕の視線が一斉に向けられた。
夕鈴の両隣に座り、宥めるように肩を抱く同級生の男を見て、あちゃ~と明玉は片手で両目を覆った。

微動だにしない課長から、ブリザードのような冷気が溢れているのを感じるが。

「…紹介するわね。私の上司で、夕鈴の恋人の珀課長。」

取り敢えず、皆にそう紹介してみる。

「…初めまして。」

内心穏やかでなくても、怒っていても、夕鈴の友達に失礼な事は出来ないと黎翔は短く挨拶をする。

「は、初めまして~。」返される挨拶や、「うわ~カッコいい…♥」と囁かれる言葉を聞き流し、黎翔の視線が釘付けなのは恋人の肩を抱く、男。

睨み付けながら近付くと、ハッと我に返って蒼褪めた表情で夕鈴から離れていく。

「――汀。」

夕鈴の傍に膝を付き呼び掛けると、彼女はのろのろと顔を上げて黎翔を見た。
その顔は涙に濡れていて、目も真っ赤になっている。

「れいしょ…?」
「…ああ。」
「…何でここにいるの?」

驚いているのか、夢幻だと思っているのか、夕鈴は目をパチパチしながら問い掛けてくる。

「迎えに来たんだ。…ほら、帰るぞ。」

興味津々にこちらを見ている彼女の同級生達に、これ以上可愛い恋人の姿を見られたくない。
立たせようとすると、夕鈴はイヤイヤと首を横に振って腕を伸ばしてきた。

「だっこぉ~。」

キャーと周囲から黄色い声が上がる。

甘えるように首に腕を巻き付けてくる恋人に溜息を吐きながら、その細い身体を抱き上げると。
夕鈴は黎翔の首に腕を回し、脚を彼の身体に巻き付けてギュッとしがみ付いた。

首元に顔を埋められ、温かくて柔らかな身体に抱き着かれると、このまま彼女を組み敷きたくなるが、黎翔は理性を総動員してそれを耐えた。

「では失礼する。」

夕鈴の同級生達に頭を下げ、黎翔は彼女を抱いたまま部屋を出た。
それにしても、思い切りしがみ付かれて動きにくい。
明玉が気を効かせて、夕鈴の荷物を持って車まで運んでくれた。

離れるのを嫌がる夕鈴を何とか引き剥がして助手席に乗せると、黎翔は運転席に乗り込んだ。

「じゃあ、後の事は頼んだぞ。明玉。」
「はいは~い!フォローはお任せ下さい!」

にっこり笑う部下に、夕鈴の飲み代と迷惑料として一万円札を渡す。
じゃあなと窓を閉めようとすると、「あ、課長!」と声を掛けられた。何だ?と聞く前に、彼女は黎翔の耳元で小さな声で囁くとにやりと笑って車から離れる。

黎翔は明玉の言葉に若干呆然としながら、店に戻る彼女の後姿を見送った。


続く

関連記事
スポンサーサイト

Comment

 

後編、後編、と思って来たら、「中編」!?
裏切られたー(笑)後編も楽しみにしています((o( ̄ー ̄)o))
  • posted by かんちゃん 
  • URL 
  • 2014.11/17 22:43分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

何々!明玉は何を言ったの?
夕鈴たら「抱っこ」なんてかわいいことを!これは帰ったら楽しみですねー\(//∇//)\
  • posted by まるねこ 
  • URL 
  • 2014.11/18 08:37分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

やっぱり明玉グッジョブ。
黎翔さんは明玉の評価を上げまくればいいと思います。
ボーナス査定はEXで!

楽しすぎますっ。
  • posted by あさ 
  • URL 
  • 2014.11/18 16:17分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

中編があってお得!と思ってしまいました(●´∀`●)
後編も楽しみにしています♪
  • posted by 名無し 
  • URL 
  • 2014.11/20 13:55分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: タイトルなし 

かんちゃん様

まさか前中後編になるなど、慧ネンにとっても想定外(*_*;
書けば書くほど、新たなやり取りが浮かんできて纏めるのに大変です。
※ちなみに、後編も本当に終わるのかと恐怖に駆られ、無理矢理〆ました(汗)
  • posted by 高月慧ネン(かんちゃん様へ) 
  • URL 
  • 2014.11/26 00:11分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: タイトルなし 

まるねこ様

明玉が何を言ったのかも、後編で明らかになりますよ(^^♪
え?帰ったらナニが楽しみなんですかーかー…(エコー)
  • posted by 高月慧ネン(まるねこ様へ) 
  • URL 
  • 2014.11/26 00:13分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: タイトルなし 

あさ様

後編をお届けした後でコメントを返信するのもなんですが(*_*;
ボーナス査定…。
なんかネタに出来そう。このSS、季節はいつだろ?コートとか上着の表現出さなかったから夏でも良いかな。
おまけでくっつけようかなと考え中です。

  • posted by 高月慧ネン(あさ様へ) 
  • URL 
  • 2014.11/26 00:18分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: タイトルなし 

名無し様

そ、そう言って頂けるとホッとします。
後編もやっと書き上がったので、この後アップしま~す(^^♪
  • posted by 高月慧ネン(名無し様へ) 
  • URL 
  • 2014.11/26 00:21分 
  • [Edit]
  • [Res]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

右サイドメニュー

プロフィール

高月慧ネン

Author:高月慧ネン
『兎と狼のラビリンス』へようこそ。
黎翔と夕鈴が大好きな管理人・慧ネンが、溢れる妄想を書き殴るために作ったブログです。
原作沿いや現代パラレル、色々ありますので、お好きなお話をお読み下さい。
よろしくお願いします。

†いらっしゃいませ†

キリの良い数字を踏まれた方は、ご連絡下さい♪

ご訪問中のお客様

現在の閲覧者数:

にほんブログ村ブログパーツ

ブロとも申請フォーム

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。