兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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上司と部下の、初デート 9

こんばんは、慧ネンです!

LaLa本誌の早売り読んで、本日は悶えまくってます。
休みで良かった…(^^♪

発売日前ですので、あまり詳しい事は書きませんが一言だけ。

陛下、貴方可愛過ぎます♥
20代の男性って、こんな感じですかね?え?

萌チャージしたので、執筆頑張ろう…!
取り敢えず短いですが、書けた所までアップします☆


***




上司と部下の、初デート 9


泣いている夕鈴を何とか宥めて、ようやく涙が止まって黎翔はホッとする。
泣き顔も可愛いけれど、ようやく思いが通じた今、どうせなら悲しみの涙ではなく快楽で啼いている顔を見てみたい。

赤くなった目元を、恥じらうように擦っている夕鈴の頭をクシャリと撫でてやる。

「汀、起きれるか?悪いが、あまりゆっくりしていられない。行けそうならシャワー浴びてこい。その間にルームサービス頼んでおくから。」

そう言いながら、ノロノロと身体を起こしている彼女を手伝う。

「課長は…?」
「ん?私はお前が寝ている間に浴びた。」

黎翔の言う事は本当のようで、彼の艶やかな黒髪は少し湿っている。

本当は身体がしんどくて寝ていたいけど、ずっとホテル(ここ)にいるわけにもいかない。
会社に行かなくてはいけない黎翔に、迷惑を掛けたくはない、けれど。

(もうちょっと、くっついていたいな…。)

激しい行為ではなく、ただ単に、彼に抱き締めていてもらいたい。
そう思うのは、いけない事なのだろうか?

言葉に出来ない思いは、意図せず行動に出ていたようで。
夕鈴の細い指は無意識に、離れたくないと黎翔の服の裾を掴んでいた。

そんな夕鈴の可愛らしい行動に、黎翔は慈しむように彼女を見つめる。

「…何なら一緒に入るか?」
「え?」
「――シャワー浴びるだけじゃ済まないかもしれないがな。」

「それでも良いか?」と耳元で囁いてにやりと笑うと、夕鈴は顔を真っ赤に染めてブンブンと首を横に振った。

「…残念。」

がっかりしたように呟いたけれど、黎翔は笑いながら夕鈴を抱き上げてバスルームへと運んでくれる。

お湯が張られたバスタブに下ろされて、温かさに夕鈴はホッと息を吐く。

「ありがとうございます。」

見上げて微笑むと笑い返してくれた、が。

「出る時に声掛けろ。一人じゃ無理だろ?」

ニヤニヤ笑いながら聞いてくる。

確かに、歩けない事はないけれど、力が入らない身体ではフラフラしそうだ。

誰のせいでこうなったと言うのか。
その原因に言われたくないと、言いたい事は色々あるけれど。

何を言っても言い負かされそうだったので、夕鈴は素直に頷くだけにした。

シャワーを浴びた後、黎翔の手を借りて着替えを済ませた夕鈴は、彼にドライヤーで髪を乾かしてもらいながら気持ち良くてうつらうつらしていた。

「おい、寝るなよ?」

苦笑いしている黎翔の声が聞こえる。
いつも意地悪な彼に至れり尽くせりで甘やかされて、何だかくすぐったくてふわふわしてくる。
背中に感じる温もりに凭れて、このまま眠ってしまいたかった。

何だか食欲が無くて、もそもそと少量のサラダとサンドウィッチを一つだけようやく口にして、ミルクティーを飲む。
手を止めると、「もう良いのか?」と黎翔に心配されてしまった。

とっても美味しくて勿体無いけど、これ以上食べれそうにないので頷く。

黎翔が眉を寄せているのを見て、心配掛けて申し訳ないと思う反面、気に掛けてくれる彼がとても嬉しくてやっぱり好きだと思った。


助手席から流れる景色を見ていた夕鈴は、ふとある事に気付く。
彼女としては最寄りの駅まで送ってもらって、そこから電車で帰るつもりでいたのだが、この道は駅方向ではないし、このままいくと会社も通り越してしまう。

「れ…、課長。私電車で帰りますよ?」

思わず『黎翔』と呼びそうになったが、やっぱり気恥ずかしくてついつい呼び慣れた呼称で言い直してしまう。
夕鈴の方をチラッと見た黎翔は、小さく溜息を吐いて首を横に振る。

「…自宅まで送る。」
「何で?大丈夫ですよ?駅で降ろして下さい。」

夕鈴の自宅まで行くとなるとUターンしなければならず、時間のロスだ。
効率の良さを好む課長(彼)にしては、有り得ない判断だ。

「私が嫌なんだよ。」

憮然とした表情でぼやいて、黎翔は正面を見つめた。

夕鈴は全く分かっていない。
今の自分が、一体どんな顔をしているのか。

目元をほのかに紅く染め、気だるげな表情。
黎翔に抱かれた事によって、どことなく残っていたあどけなさが無くなり、大人の女の顔になった。
妖艶とまではいかないが、男を誘うような色香を漂わせている。

こんな状態で電車なんか乗ったら、絶対男共が寄ってくる。
今は通勤ラッシュも過ぎて比較的電車内も空いているだろうが、邪な行動を起こす輩もいるかもしれない。

――要は心配で心配で堪らないのだ。

でも夕鈴には、そんな黎翔の気持ちが分からない。

「…でも、家まで送ってもらっていたら、会社行くの遅くなりますよ?大丈夫なんですか?」

当然の事を言われて、黎翔はうっと詰まる。
あの李順の事だ。遅くなると、何を言われるか分からない。
「ふふふふ、お待ちしてましたよ~?」と、眼鏡を光らせて迎えられるかもしれない。

途中にあったコンビニに入った黎翔は駐車場で車を停めると、「ちょっと待ってろ」と声を掛け、夕鈴を残して車を降りた。ドアに凭れ掛かり、携帯で話している姿を夕鈴は首を傾げながら見ていた。

声は聞こえないが堅苦しい様子はなく、気兼ねに話している所を見るとどうやら仕事関係ではなく知り合いに連絡を取っているらしい。

(誰だろ…?気になるな…。)

そんなとこで電話なんかしてないで、傍にいて欲しい…

(…って、何考えてんのっ私っ!?)

自分の思った事にビックリして、夕鈴は真っ赤になって俯く。

こんな事、今まで思った事なかったのに、と、彼女の戸惑いは大きい。
ただの一方通行だった想いが通じた事で、彼との関係が変わり、思考も変わっていくものだろうか?

少しの間でも離れているのが寂しい、だなんて、今まで思った事もなかった。


「悪い、待たせたな、て…」

電話を終えた黎翔がドアを開けて運転席に乗り込見ながら夕鈴を見ると、待ちくたびれたのか夕鈴はすうすうと寝息を立てていた。

昨夜何度も堪能した彼女の寝顔はやっぱり可愛くて、黎翔は笑みを浮かべると起こす事はせずに車を発進させた。


続く


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よろしくお願いします。

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