兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

上司と部下の、初デート 10

こんばんは、慧ネンです。
毎日寒いです。休みの日はコタツから出れません。
コタツに座ったまま出来る仕事ないかな…?

まずはお礼を。
Sweet☆Homeシリーズに、沢山の拍手ありがとうございます!
かなり人気が高くて、慧ネンはビックリしてます。
「続きを読みたい」と言うお言葉は何よりも嬉しいです♪

亀更新ではありますが、酷い男(笑)で駄目パパな黎翔さんと、二人の子供の成長を少しずつ書いていくつもりです。
もう少しお待ち頂けたらと思います(^v^)

今回の更新は、上司部下シリーズです。
ようやくデート編の完結となります。
一話目を書いたのはいつだったか…?SNS日記を確認してきましたら、2013年の7月でした。
2年越しにならなくて良かった…。いや、似たようなものか…(*_*;
無事に完結出来てホッとしています。
長々とお付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました(^^♪

※ちょっとだけ大人っぽい表現があります(またかい)。苦手な方はご注意下さい。

では、どうぞ~。


***


上司と部下の、初デート 10


「…い…汀。」
「ん…?」
「起きろ、着いたぞ。」
「んあ?」

肩を揺さぶられ目を開けると、肩に手を置いた状態で黎翔が覗き込んでいた。振動は止まっていて、車はすでにどこかに停まっている事に気付く。
顔を上げると、彼は夕鈴の口元に指を伸ばしながらぷっと笑った。

「…よだれ。」
「うっ、嘘っ…!?」

顔を真っ赤にして、慌てて口元を拭おうとすると。

「――嘘だ。」

黎翔はクックッと意地悪く笑い、からかわれた事に気付いた夕鈴はぷうっと頬を膨らませる。
せっかく狭い車内で、二人っきりなのにムードもへったくれもない。

そう夕鈴が思っている事など黎翔はお見通しで、少し申し訳ないと思いながらこれで良いんだと自分を戒める。
そうしなければ、こういう態度を取らなければ、ここがどこなのかも忘れて彼女を襲ってしまいそうだから。

「汀…。」

小さな手を握り締めて、黎翔は夕鈴を見つめる。
彼の真剣な眼差しに見つめられて、夕鈴の胸はドキドキと高鳴った。

「…付き合ってくれてありがとう。本当に楽しかった。」
「わっ…私も、ですっ…!」
「…また誘っても良いか?」

いつも自信満々な彼の、少し不安げな表情に、夕鈴はキュンとしてしまった。
二人で出掛けると言う事は、また黎翔に抱かれると言う事だ。

まだ鈍い痛みが残っている下股がズクンと疼いて、夕鈴は目を潤ませながら小さな声で「はい。」と呟いた。
その瞬間、グイッと腕を引かれ黎翔に引き寄せられる。

「…ん!?…んぅ…!」

唇を塞がれ、深いキスに慣れない夕鈴はもがく。
小さな抵抗を示していた彼女の手は、しばらくすると縋るように黎翔の服を掴んだ。


コツコツと静かな駐車場内に靴音が響く。
隅に停められた黎翔の車に近付く人影に、車内で熱い口付けを交わす二人は気付かない。


――我慢出来なかった。

押え切れなくなる事が分かっていたから、必死に耐えていたというのに。

昨日からもう何度も味わった、ぷっくりとした柔らかい唇を貪る。

初め離れようと胸を押して小さな抵抗を見せていた彼女の手が、震えながら縋り付いてきてますます止められなくなった。
本当はもっと一緒にいたい。離したくない。この身体を愛したい。

黎翔の手が夕鈴の太腿に這わされ、ぴくんぴくんと彼女の身体が反応する。
もう片方の手が裾から服の中に侵入しわき腹をなぞられ、冷たさとゾクゾクする快感に大きく身体を震わせた時。

コンコンッ

二人だけの世界に突如響いた音に、ビクッとして夕鈴は黎翔の身体を渾身の力で突き放した。
黎翔の後ろ、運転席側の窓の外には、
「めめめめっ明玉…っ!?」
夕鈴の大親友・明玉が呆れ顔で立っている。

良い所を邪魔されて、黎翔は憮然とした表情でウィンドウを下ろす。

「休日に部下(ひと)を呼びつけておいて、何やってるんですか。」

時と場所を選んで下さい、と黎翔に説教している親友に、夕鈴は初めてこの場所が白陽コーポレーションの駐車場だった事に気付く。
昼間なのに薄暗く感じたのは、ここが地下だからだ。

「こんな場所でキスするなんて、課長らしくないですよ?」

明玉に言われて、黎翔は肩を竦め、夕鈴は青くなった。
休日とは言え、出社している社員もいるかもしれない。
誰かに見られるかもしれない場所でこんな事するなんて、確かに完璧人間の彼らしくない。明玉の言う事は尤もだ。

幼い頃からの親友とは言え、黎翔とキスしている所を見られた夕鈴は居た堪れなかった。
一方明玉もからかうのは好きだが、大親友と上司のラブシーンを直に見るのは出来れば遠慮したかった。

黎翔が明玉を呼んだのは、夕鈴と仲の良い彼女なら、夕鈴を安心して任せられると思ったからだ。
彼女なら、夕鈴に危害を加える事はない。
それに黎翔は夕鈴を一人アパートに帰らすのが不安だった。その点、明玉は実家暮らしなので安心出来る。

体調が悪いのかふら付きながら歩く夕鈴を支え車に乗せると、荷物を運んだりと黎翔は甲斐甲斐しく動く。そんな彼を、明玉は溜息を吐きながら腕を組んで見ていた。

「じゃあ、また明日。」
「…はい。」

車の窓越しに別れの挨拶をしている二人を視界の端に入れながら、明玉はハンドルに突っ伏す。
永遠の別れでもあるまいに、黎翔は憂い顔だし、顔が見えない夕鈴も涙声だ。
付き合う前からバカップルだと思っていたが、想いが通じて、今まで以上のバカップル振りを一課の面々(私達)は見せられるんじゃないかと思うと何だか…。

「あ~あ…。私も彼氏欲しいなあ…。」

そうじゃなきゃやっていられない。

お泊りグッズを取りに一度アパートに寄ってから、明玉の運転する車は自宅に向かう。
何だか辛そうな夕鈴に「大丈夫?」と声を掛けると、ふにゃっと笑って「大丈夫!」と返ってきた。
入社式で一目惚れした課長(相手)にきつく当たられて、泣いて、苦しんで、それを乗り越えて、ようやく想いを通じ合わせた親友。

「良かったね、夕鈴。」

二人のお付き合いは始まったばかりだが、幸せそうな夕鈴に明玉は心からの祝福を送った。

翌朝。
白陽コーポレーション・第一営業課フロア。

始業前にも拘らずすでにデスクに座っている課長が、仕事をしながらも誰かを探すようにキョロキョロと視線を動かしている。次々と出勤してくる社員の中に目的の人物が見付からず、彼は溜息を吐くと一人の女性社員を呼んだ。

「…明玉。」
「はい?」

デスクにやって来た彼女に、内緒話をするようにこそっと問い掛ける。

「ゆう…汀はどうした?」

思わず『夕鈴』と言いそうになって、ゴホッとわざとらしく咳払いをして言い直す。
明玉はにやりと笑って、「今日は休みです。」と返す。
焦ったのは黎翔だ。休まなければならないほど、体調が悪かったのか。
その原因に心当たりがあるだけに、動揺を隠せない。

熱は高いのだろうか?
起き上がれないほど、辛い思いをしているのか?

どんな感じなのか問い詰めてくる上司に、明玉は笑いを隠せない。

確かに親友は寝込んでいるが、朝ごはんもきちんと食べれたし、熱が高いだけで昨日ほど辛そうでもない。
出勤する明玉に「行ってらっしゃい。」と笑顔で手を振って、見送ってくれた。

「知恵熱ですよ。」
「ちえっ…!?」
「慣れないあの子に、誰かさんがあんな事したせいで。」

上司である課長の照れたような表情はたまに見る事があったが、真っ赤になった顔を見るのは初めてだと思う。

「何々!?面白そうな話してるじゃない!」
「私達にも聞かせてよ~!」

こそこそ聞き耳を立てていたらしい女性陣が、わらわらと課長のデスクに詰めかける。

「課長、ついに彼女を食べちゃったんですか!?」
「真っ赤になっちゃって…!きゃ~可愛い!!」
「何想像してるんですか~?イヤらしい~!」

キャーキャーと騒ぎながら、次々に黎翔をからかってくる。
そんな女性陣と課長を横目に見ながら、『触らぬ神に祟りなし』と男性陣は沈黙を貫いている。

「~~~…!お前達、もう始業ベルは鳴っているぞー!!」
「キャ~~っ♥」

耐え切れなくなった課長の怒声がフロアに響き、蜘蛛の子を散らすように自分のデスクに戻っていく女性陣達。
賑やかな日常が始まる、月曜日の朝。


END


関連記事
スポンサーサイト

Comment

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • posted by  
  •  
  • 2015.02/04 06:00分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

きゃー(≧∇≦)続きだ♪
そりゃみんなにバレますよね、あの2人じゃ何もなかったような態度は出来ないと思うし。
このシリーズもずっと続くのを切望してます。
この会社に転職したいなぁ^^;
  • posted by まるねこ 
  • URL 
  • 2015.02/04 08:05分 
  • [Edit]
  • [Res]

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • posted by  
  •  
  • 2015.02/04 08:40分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: タイトルなし 

ますたぬ様

さすがの課長も、女豹達には敵わないようです(^^♪
これからもどんどん、おちょくられるんでしょうねww
このバカップルは、一課社員の良い酒の肴になりそうです♪
  • posted by 高月慧ネン(ますたぬ様へ) 
  • URL 
  • 2015.02/07 22:09分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: タイトルなし 

まるねこ様

夕鈴はともかく、課長は今までそんな素振りなくても、夕鈴の可愛さにメロメロになったら、態度に出ちゃうんじゃないかと思うんですよ!
これから度々からかわれる事でしょう(^^♪
このシリーズも一応ラストは決めているので、のんびりゆっくり進めていくと思います。
一課の面々は、こういう人達がいたら、楽しく仕事が出来るだろうな…と言う慧ネンの願望をイメージして書いていまーす(笑)
  • posted by 高月慧ネン(まるねこ様へ) 
  • URL 
  • 2015.02/07 22:30分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: おはようございますー♪ 

風花様

お久し振りです~!お忙しい中、ご訪問ありがとうございます(^^♪

夕鈴とやっと思いが通じて、課長は顔に出るくらい幸せなんでしょうね♥
せっかくの休日なのに、世話の掛かる上司と親友のために出向く明玉さん。
きっと課長の彼女に対する評価は鰻登りな事でしょう♪

> きっと少しいじられながらも優しく見守られる夕鈴と、
> いじり倒される課長が当分見られるのでしょう♡

とっても的確な上記表現にウケました(^◇^)
弄り倒される課長…。見てみたい。
誰か書いてくれないかな…?
  • posted by 高月慧ネン(風花様へ) 
  • URL 
  • 2015.02/07 22:38分 
  • [Edit]
  • [Res]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

右サイドメニュー

プロフィール

高月慧ネン

Author:高月慧ネン
『兎と狼のラビリンス』へようこそ。
黎翔と夕鈴が大好きな管理人・慧ネンが、溢れる妄想を書き殴るために作ったブログです。
原作沿いや現代パラレル、色々ありますので、お好きなお話をお読み下さい。
よろしくお願いします。

†いらっしゃいませ†

キリの良い数字を踏まれた方は、ご連絡下さい♪

ご訪問中のお客様

現在の閲覧者数:

にほんブログ村ブログパーツ

ブロとも申請フォーム

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。