兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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My Sweet☆Home~求める存在(もの)~ 1

こんばんは、慧ネンです。
先日アップしたばかりの「My Sweet☆Home~帰る場所~ 4」に、100拍手頂きました~(^^♪
沢山の方が読んで下さってとても嬉しいです♥

本日はキリリクSSをお届けに参りました。
かなり前の事になるんですけど、SNSの慧ネン宅で、9612(語呂合わせ・クロイツ)hitを踏まれました、白友ひなたぼっこ様に捧げます。

リクエスト内容は「Sweet☆Homeシリーズなら何でも…」と言う事でしたので、『~帰る場所~』の続きを書かせて頂きました☆

※慧ネンは子育ての経験がありません。色々おかしいと思いますが、そこはご容赦頂けたらと思います。
※幼児の身体的異変が出て来ますが、あまり重く考えない方のみご覧下さい。


***


My Sweet☆Home~求める存在(もの)~ 1


あの日から、朝必ず三人分の朝食を作る事にした。
サラダとスープ、スクランブルエッグに焼き立てのトースト。
出勤前の僅かな時間なのであまり手の込んだものは作れないが、今まで冷凍食品やレトルト商品だった事を考えればマシな方だろう。

卵は日によって普通の卵焼きにしたり、目玉焼きに変えたりする。
初挑戦でタコになり損なったウィンナーを、「お姉ちゃんはカニさんも作れるんだよ。」と言いながら、それでも嬉しそうに食べてくれた聖蘭や、元々食が細くすぐに箸(スプーン)を置いてしまう清良が、「パパ、おいちい。」と残さずに食べてくれた時、初めて子供のために何かしてやれたような気がした。

ただ、新たな問題も起こった。

聖蘭と清良が夕鈴に会うために保育園を抜け出した日、夕鈴が帰った後言われた通り19時に子供達を起こした。
寝ぼけ眼で目を擦っていた聖蘭はハッと顔を上げて黎翔を見ると、「お姉ちゃんはっ!?」と聞いて来た。

「…彼女は自分の家に帰った。」

そう言うと、表情を固まらせ、視線を下げながら俯いて、やがて小さく一言。

「そっか…そうだよね…。」

ポツリとそう呟いた。

その翌日の朝から起こり始めた、異変。

「…パパ。」

もうそろそろ二人を起こそうと、外したエプロンを椅子の背に掛けた時、聖蘭がキッチンにやって来た。
布団を引き摺るように歩いて来た彼女は、黎翔を見上げ脚をもじもじさせている。

「おトイレ間に合わなかったの…。」

今日もか、と黎翔は溜息を吐く。それを怒っていると勘違いしたらしい聖蘭がビクッと震えた。

「…別に怒っているわけじゃない。お風呂入って、着替えようか。」

職場に連絡し遅れる旨を伝え、聖蘭をひょいっと抱き上げるとバスルームに向かった。

目に見える異変は、主に聖蘭に現れた。
おねしょが多くなり、片付けや保育園に行く前の準備など、今までしていた事も出来なくなった。
駄々を捏ねる事が増え、黎翔が仕事に行こうとすると嫌がり、彼を困らせた。

どこか身体の異常があるのではないかと思い、念の為診察してもらったが特に異常は見付からない。

「…赤ちゃん返りだろ。」

小児科に勤める腐れ縁の親友に相談すると、あっさりとそう返ってきた。

「聖蘭ちゃんの場合、幼い頃ああいう環境に置かれて親に甘えられなかったから、それが今来ているだけだと思うぞ。そうなる原因があったんじゃないの?母親のような優しさを、与えてくれる女性に会ったとか。」

夕鈴の存在は知らないはずなのに、彼は的確に彼女の存在を見透かした。

「手も付けられない子もいるらしいから、そんな我儘くらい可愛いモノじゃないか。物を壊したり清良君に暴力振るったりはしてないんだろ?」
「それはないが…。」
「しばらく様子見て、長引くようならその原因となっている人に相談してみたら?」

そう簡単にそれが出来れば苦労はしない。
あの日、本人に承諾も取らずにこっそり登録したので携帯の番号は知っているが、どう切り出せば良いのか分からず、ここ数日住所録から呼び出しては発信ボタンを押せず悶々としていた。

そのうち、清良にも異変が見られ始め、聖蘭の行動が彼にも影響を及ぼしている可能性があると言われ、黎翔はようやく重い腰を上げた。

夕鈴に連絡を取った数日後のオフの日、黎翔は二人を保育園に迎えに行った帰り、マンションの近くの公園で彼女が来るのを待った。

「お姉ちゃ~ん!!」
「まあま~!」

公園の入り口に夕鈴の姿が見えた瞬間に、二人は嬉しそうに走り出す。
笑顔で手を振りなが、夕鈴も駆け寄ってくると二人をギュッと抱き締めた。

砂場で砂遊びをしている二人を見ながら、黎翔と夕鈴はベンチに並んで座り話をする。

「え?聖蘭ちゃんが?」

実は、あの日以降も夕鈴は二人とこの公園でたまに会っていた。
バイトに行くまでの短い時間とかだったが、話をしていて、特に異変は感じられなかった。
今も楽しそうに笑いながら砂を掘っている聖蘭からは、彼女の身に起こっている事など微塵も感じられない。

「…君に頼みがある。バイトが無い日だけで良いから、夕方からベビーシッターをしてもらえないだろうか。」

これが、黎翔が考えた解決策。
懐いている彼女が少しでも傍にいれば、二人にとって良い影響を与えてくれるのではないだろうか。

夕方学校帰りに保育園に迎えに行ってもらって、スーパーで夕飯の買い物をしてマンションに帰る。
夕飯を作り、二人に食べさせて、お風呂に入れて、寝かし付ける。

職場の方には事情を説明してあったが、どうしても帰宅が遅くなる日もある。保育園には無理を言って遅くまで預かってもらっていたが、それも限界に来ていた。
深夜も預かってくれる保育園へ入れる事も考えたが、清良は人見知りが激しく、他人が傍にいると熟睡しない為諦めるしかなかった。

夕鈴がいてくれたら、二人の心のケアにもなるし、黎翔としても助かる。
もちろん炊事洗濯などのハウスキーパー代も別に出すし、買い物や移動に掛かる費用も全額支払うつもりだ。

まだ高校生の彼女には、大きな負担を掛けてしまうだろうけれど。

「…分かりました。私で良ければ、よろしくお願いします。」

二人の子供のために、協力してくれる彼女がとても愛しく思えた。


夕暮れに染まる川辺。
オレンジ色に輝く街並み。

右手に聖蘭、左手に清良の小さな手を繋いで、夕鈴と子供達は黎翔の知らない歌を楽しそうに歌いながら歩いている。
そんな後ろ姿を、スーパーの袋を両手に下げて見つめながら歩く。

たまたまバイトが休みだった為、夕鈴はその日から珀家のバイトに入る事になった。

「今日はお姉ちゃんがご飯作ってくれるの!?」
「うん。毎日じゃないけど、たまにお家にお邪魔するけど良いかな?」
「「うん!!」」

スーパーで一緒に買い物→夕鈴がご飯を作ってくれる。
そう思っているらしく、子供二人は嬉しそう。

「♪今日のご飯は~あっちっちのグラタン~♪」
「♪ぐりゃたん~♪」
「♪夕鈴お姉ちゃんが作ったぁ~♪」
「♪あちち、のぐりゃたん~♪」

即興で作ったらしい何だか分からない歌を楽しそうに歌っている三人に、疎外感を感じてちょっと寂しく思う黎翔パパだった。


続く


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Comment

 

リク主を差し置いて一番乗りしてしまいました。
パパらしくなってきてホームドラマだわーとほのぼしながら読んでます(^^)夕鈴早くママになってあげればいいのに。
  • posted by まるねこ 
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  • 2015.02/11 23:19分 
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  • 2015.02/12 00:53分 
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  • 2015.02/12 07:27分 
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  • 2015.02/12 09:36分 
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  • 2015.02/12 21:34分 
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こんにちは
先月から、楽しくお話を読ませて頂いてます。
My Sweet☆homeの続きを待ってました!
二人のこれからがすご〜く楽しみです(*^_^*)


  • posted by けい 
  • URL 
  • 2015.02/14 15:47分 
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Re: タイトルなし 

まるねこ様

一番乗り、ありがとうございます!
目指すはホームドラマではなく、ドロドロ愛憎劇だったんですけど(笑)
まあウケが良いのでいっか、と思っています。
黎翔パパ、少しずつですが頑張ってますよ!夕鈴が本当のママになる日がいつか来るはず…!(パパ頑張れ!!)
  • posted by 高月慧ネン(まるねこ様へ) 
  • URL 
  • 2015.02/18 02:25分 
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Re: 優しい雰囲気の作品 

聖璃桜様

こんばんは(^^♪
黎翔パパが常識人…。騙されてますよ~。夕鈴がいなかったら、ホントダメ男なんですからww
この続きも頑張りますねっ!
  • posted by 高月慧ネン(聖璃桜様へ) 
  • URL 
  • 2015.02/18 02:48分 
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Re: タイトルなし 

お名前無し様

…ギクっ!?行動が読まれている(*_*;
まあ、黎翔パパと夕鈴がくっついたら、大喜びなのは子供達でしょう。
パパは除け者にされたりしてww
  • posted by 高月慧ネン(お名前無し様へ) 
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  • 2015.02/18 02:51分 
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Re: No title 

ますたぬ様

子育ての経験も無い癖にこういう話を書き始めるから、慧ネンも次どうしよう、どんな内容にしようと四苦八苦しながら書いてます(汗)
妄想だらけ。
パパ頑張ってます。夕鈴に良いとこ見せたいから(←え?)
倒れる事はないでしょうけど、上手くいかなくて色々戸惑ったり、行き詰ったりしそうですね。
こんなダメ男にエールを送るなんて、ますたぬさん、何て優しいの…!!
続きはぼちぼち頑張ります(^v^)
  • posted by 高月慧ネン(ますたぬ様へ) 
  • URL 
  • 2015.02/18 02:56分 
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Re: 初めましてm(_ _)m 

ニコ様

初めまして~(^^♪
ご訪問&コメントありがとうございます。
このシリーズが好きと言って頂けてとても嬉しいですww
どろどろを目指して書き始めたので、最初の頃の黎翔さんは最悪人間です。(初対面の女子高生を襲うとか普通無いですよね(*_*;)
途中で方向性が変わってきてしまったので、最近ちょっとマシになりました。
ニコ様が危惧している事…。う~ん…実は…そうなんです。
どうしようかなと悩んでます。あり得ない事ではないですよね~。
どう転ぶかは、待て次号…(←違う)
  • posted by 高月慧ネン(ニコ様へ) 
  • URL 
  • 2015.02/18 03:02分 
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Re: タイトルなし 

けい様

ご訪問&コメントありがとうございます(^^♪
拙い話ばかりですが、少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです♪
亀更新ですけど、続きも頑張りますね~(^v^)

  • posted by 高月慧ネン(けい様へ) 
  • URL 
  • 2015.02/18 03:04分 
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よろしくお願いします。

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