兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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My Sweet☆Home~求める存在(もの)~ 4

こんばんは~(^^♪
慧ネンです(^◇^)

今日は久々に(半年ぶりくらい?)、美容院に行ってきました。
自他共に認める出不精な慧ネンは、髪を切りに行くのもめんどくさくてm(__)m
でも○子みたいになっていたので、さすがにこの姿でプチに行ったらドン引かれると思い、ようやく重い腰を上げたのでした。

軽くなったぜ!←早よ切れ。

さてさて、一週間後に迫った春コミの事で、ちょっとしたお知らせもあるのですが、それはこの後アップしようと思います~。
まずはリクエスト小説の続きをお届けします。

今回は珍しく、水曜日以外の更新です☆
それが出来るのも、ストックがあったから!やっぱり書ける時に書かなきゃダメですよね♪

人気が高いこのシリーズ…。
頂く拍手数に卒倒しそうになってます。こんなに良いのかな…?



***

My Sweet☆Home~求める存在(もの)~ 4


そんなある日の朝。
自分のアパートで目を覚ました夕鈴は、枕元に置いてある携帯のランプがチカチカと点滅しているのに気付く。

見てみると黎翔からで、『朝早くに申し訳ない。』から始まるメールは、緊急の呼び出しで今から職場に行かなければならない事。子供達の朝食の準備が出来ていないので、一応金は置いてきたが登校前に時間があるならマンションに寄って欲しいと記されていた。

受信時間は明け方4時で、こんなに早くから仕事に行かなくてはいけないなんて大変だな…と思う。
今の時刻は6時前。
自転車でマンションに向かって、徒歩で保育園まで送り、そこからバスで行けば何とか間に合いそうだ。
夕鈴はすぐに身支度し、アパートを出た。

最近真面目に朝食を作っているらしい黎翔は、夕鈴が言った通り保存できる食材はストックを用意していた。
トースト用のパンもあるし、冷蔵庫にはコーンポタージュのパックも入っている。
マンション近くの24時間スーパーで買ってきた野菜を切って、手作りドレッシングを掛けてサラダにする。

「聖蘭ちゃん、清良ちゃん。朝よ、起きて?」

7時になり仲良く同じ布団で寝ている二人に声を掛けると、パチッと目を開けて飛び起きた。

「お姉ちゃん!?」
「まあま?」

いつも二人が寝た後で帰ってしまい、朝にはこの家にいない夕鈴がいる事にびっくりしたらしく、「夢?」と目をコシコシ擦っている。

「夢じゃないよ?おはよう、二人とも。さあ、おっきして、ご飯食べよっか。」

「はーい!」と返事をして起き上がった聖蘭の髪は可愛い寝癖がついていて、夕鈴はクスッと笑って後で直してあげなきゃと思いながら、まだ少し眠そうな清良を抱き上げて起こす。

「今朝はパパがお仕事でいないから、お姉ちゃんと一緒に保育園に行こうね。」

顔を洗ってテーブルに付いた二人と一緒に朝食を取りながら言うと、嬉しそうに「やったあ!」と喜ばれて、夕鈴は黎翔に対してちょっと罪悪感を感じてしまった。

「そう言えば、聖蘭ちゃん。パパって何のお仕事してるか知ってる?」

夕鈴はふと、自分の雇い主の事を何も知らないと気付いて聞いてみた。
夜も明けぬうちに緊急の呼び出しが掛かる職なんて限られてくる。

「えっとね、白いお洋服着て、人を助けるお仕事してるの!」

トーストに噛り付きながら熱心に説明しようとしている聖蘭は可愛くて、彼女自身も良く分かっていないみたいだが恐らく黎翔は。

(お医者様かな…?)

白衣は似合いそうだが、あんな性格で患者さんときちんと向き合えるのだろうかとちょっと不安になったのは彼には内緒だ。

夕方の珀家のバイトは入れてなかったが、黎翔の方が帰りが遅くなると言う事で、急遽もう一つのバイトを交代してもらい、学校が終わってから子供達を保育園に迎えに行った。

ご飯を食べた後、夕鈴が片付けをしている間子供達はリビングで遊んでいるのだが、今日は何だか静かだ。
寝ちゃってるのかなと思い見に行くと、二人がソファでぐったりしていた。

「聖蘭ちゃん!?清良ちゃん!?」

慌てて駆け寄って小さな身体を起こすと、顔を真っ赤にして苦しそうに息をしている。
何となくいつもより食欲が無いような気がしたが、元気に笑っていたのでこんな物かなと思っていた。

「ど、どうしよう…!どうしよう!?」

熱高そう…インフルエンザ?それとも何か他の病気?
私しかいない時に、二人一緒にだなんて…。

パニックになりかけた夕鈴だったが、キュッと小さな手が服を掴んで来てハッとした。
「お姉ちゃん…」と力なく呟きながら、震える手で縋ってきた聖蘭。

パンッと、夕鈴は自分の両頬を叩いた。

(私が弱気になってどうするの!?)

二人の父親である黎翔が不在の今、助けてあげられるのは自分しかいない。
夕鈴が不安がると、二人に伝わる。しっかりしなきゃと自らを奮い立たせて、保険証を探し始めた。
掛かり付けの病院が分かれば良いのだけど…と思っていると、保険証と一緒に二人の診察カードも入っていた。

「え…?」

カードの病院名を見た時、夕鈴は硬直した。

『医療法人 白陽会』

良い意味でも悪い意味でも、誰もが知る大病院だ。
最新の医療器具と技術を取り入れ、数々の難しいオペを成功させる実績を持つ医師が揃っていると聞く。
そのため日本のみならず世界各国から様々な患者が治療を受けるためにやってくる。
だが医療費は法外で、要するにお金持ちの人間しか治療を受ける事が出来ない。一般家庭の患者は、救急車の受け入れすら断られると言う話だ。

夕鈴は自分の姿を見下ろした。こんな服装で行ったら、門前払いされないかと不安になる。
けれど自分はともかく高級マンションに住む珀家はお金持ちだろうし、現に診察カードがあるわけだから何とかなるはず。

カタカタと震えながら寒いと呟く二人に、清良は厚着をさせておんぶ紐で背負い、聖蘭をブランケットで包み抱き上げる。

「二人とも頑張って!すぐに病院連れて行くからね…!」

今朝黎翔が二人の朝食代にと念の為置いて行ったお金も持って、夕鈴は部屋出ると呼んでおいたタクシーで病院に向かった。

19時を回っていたが、待合には何人かの人が座っている。
案の定、病院の受付で胡散臭そうに見られた。
夕鈴の格好をじろじろ品定めするように見て、如何にも貧乏人だと思ったのか、「今日は予約でいっぱいです。お引き取り下さい。」と断られた。

ムカッとしたものの、「私じゃないの!この子達を診てあげて!」と診察カードを受け付けに突出し、背負っていた清良を椅子に下ろす。

「いきなり熱が出て、すごく苦しそうなの!お金なら絶対払うから、お願いします!!」

剣幕な夕鈴の声に、待合にいた人達が何だ何だと視線を寄越してくる。
夕鈴は本気だった。たとえ高額な医療費を請求されようと、自分のバイト代と貯金を崩してでも払う気でいた。

必死な夕鈴に気圧されたのか、めんどくさそうに聖蘭と清良に視線を向けた受付嬢は目を見張って悲鳴を上げた。

「聖蘭ちゃんと清良ちゃん!?」

奥にいた他の人間も何人か出て来て、「早く!珀先生に連絡を!」「小児科の方にカルテ回して!」と騒然となった。

「家族ではない方はお引き取りを。」

ベビーシッターをしていると身分を伝えたのだが、そう言って夕鈴は付き添いを断られた。
二人の父親が院内にいるなら大丈夫よねと思い、後ろ髪を引かれる思いで夕鈴は病院を後にする。

外はいつの間にか雨が降り出していたが、行きはタクシーで来た上降っていなかったので傘を持っていない。
帰りのタクシー代は残っていたが、これは夕鈴のお金ではなく黎翔のものだ。
聖蘭と清良を連れて自転車で病院に行くわけにはいかず、行きはタクシーを使用したが、帰りは自分一人なので別に歩いて帰れない事もない。

偶然にも明日は土曜日だし、珀家に置いてきてしまっている制服も、土日のうちに取りに行けば良い。
幸いにも小雨だったので、何とかなるだろうと夕鈴は歩き始めた。

肌を刺すような冷たい雨は、何故か夕鈴に、一人マンションから逃げ帰ったあの日の事を思い出させていた。


続く


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  • 2015.03/08 22:31分 
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こんばんは
毎週楽しみにしてます。たまたまブログ見てたら、続きがアップされてて思わずコメントしちゃいました。
いいなあ、この両片想いっぽい切ない感じ。続きが楽しみです。(*^^*)
  • posted by けい 
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  • 2015.03/08 23:47分 
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  • 2015.03/09 00:08分 
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なにかおこりそう 

ゆうりんとれいしょうのあいだでなにかおこりそうですね。楽しみにつづきをまってます。
  • posted by ひじりりお 
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  • 2015.03/09 00:15分 
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┃q-ω-∪…私、年に一度しか美容院行きませんが←

つか、人の身なりで判断する病院って嫌ですね。
夕鈴を帰した受付が黎翔サンにどんな冷たい仕打ちを受けるのか←

雨に打たれて帰る夕鈴が風邪ひかないといいなぁ。
∪´・ω・`∪レイショーサン、モチットシッカリシマショーヤ

  • posted by 桃月 
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  • 2015.03/09 09:16分 
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  • 2015.03/09 09:26分 
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  • 2015.03/09 15:29分 
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  • 2015.03/09 19:39分 
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凄く酷い黎翔さんなのにほっとけない感じなんですよね~(*^^*)このあとの展開楽しみ♪
  • posted by 彩華 
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  • 2015.03/11 18:02分 
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Re: タイトルなし 

ますたぬ様

病院自体があんな感じだから、そこで働く人間も一般人の事を見下しているんですよ。
さらにこの受付嬢は黎翔の子供を連れて来た夕鈴を「この女、誰よ!?」と思って、彼女に対してきつい態度を取ってます。
雨に打たれながら帰宅した夕鈴はどうなるのか…。
  • posted by 高月慧ネン(ますたぬ様へ) 
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  • 2015.03/16 23:01分 
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Re: タイトルなし 

けい様

いつもご訪問ありがとうございます!
けいさんは両片想いがお好き…メモメモ。
この二人はじれったさ過ぎると思うんですが…(*_*;
  • posted by 高月慧ネン(けい様へ) 
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  • 2015.03/16 23:04分 
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Re: タイトルなし 

フルグラ様

そ、それは確かに大変でしたね。
一家の要の主婦は具合が悪かろうが、仕事が忙しかろうが、簡単に休めないのが辛いですよね。
言葉にするのは簡単ですが、ご苦労が多い事と思います(*_*;
小さな子供は免疫力が無いから、風邪の菌とかすぐにもらっちゃうだろうし。
風邪引く前の予防が大事ですね。
聖蘭と清良も、これからは夕鈴がきちんと体調管理してくれる事でしょう。
  • posted by 高月慧ネン(フルグラ様へ) 
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  • 2015.03/16 23:11分 
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Re: なにかおこりそう 

ひじりりお様

うふふふ。
さあ、二人に何が起こるのか。
良い事か、悪い事か。
んーどうしましょうねえ…。
  • posted by 高月慧ネン(ひじりりお様へ) 
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  • 2015.03/16 23:16分 
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Re: タイトルなし 

桃月様

ホントはそうしたいけど、前髪が邪魔過ぎて一年我慢出来ないんですよね(*_*;

まあ、この病院は特殊ですから。現実の病院でここまで酷いのはないでしょうし。(←こんなこと実際にしたら訴えられるよ)
雨に濡れた夕鈴は、夕鈴は…。まあ、ご想像の通りになります。
もっと黎翔パパを叱ってやって下さい!
  • posted by 高月慧ネン(桃月様へ) 
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  • 2015.03/16 23:24分 
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Re: おはようございます 

ちょび様

こんばんは!初めまして(^^♪
コメントありがとうございます♪
現パロばかりのブログですが、SSを好きだと言って頂けてとても嬉しいです。
最近はSweet☆Homeがマイブームなので、このシリーズばかりの更新ですみません。
でも気に入って頂けているようで安心しました。
いつの日かこのシリーズの二人と子供達が、みんな幸せになる日を想像しながら書き進めて行こうと思います(^^♪
ちょびさんも、お身体ご自愛下さいね。
  • posted by 高月慧ネン(ちょび様へ) 
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  • 2015.03/16 23:33分 
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Re: タイトルなし 

お名前無し様

夕鈴は一人暮らしです。
そして、ほぼご想像の通りになるかと。

ちびっ子姉弟が夕鈴を看病するの、慧ネンも見たい~!
誰か書いてー!
そのネタもらっちゃいましょうかね、フフ…。
  • posted by 高月慧ネン(お名前無し様へ) 
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  • 2015.03/16 23:37分 
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Re: タイトルなし 

まるねこ様

まるねこさんの想像が鋭くて怖過ぎる。
パパの職業はご想像の通りです。
いやでも、原作の刀捌きは関係ないかと(笑)

このシリーズの二人も相当ニブチンで擦れ違ってばかりなので(主に黎翔さんのせいで)、距離が縮まるのはもう少し先の事になりそうです(*_*;
それまで愛想尽かさないで見守っていて下さいね。

慧ネンは本の予算より、飛行機代に戦慄しました。
た、高過ぎる…m(__)m
  • posted by 高月慧ネン(まるねこ様へ) 
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  • 2015.03/16 23:56分 
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Re: タイトルなし 

彩華様

酷い男が好きになった子に今までの自分の所業のせいで、気持ちを伝える事が出来ず悶々とする話が好きなんです←ヒド…。
でもたまに見せる弱さに、夕鈴は魅かれちゃうんでしょうね。
ほっとけないのは彼女の母性が強いからだと思っています。
  • posted by 高月慧ネン(彩華様へ) 
  • URL 
  • 2015.03/17 00:11分 
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『兎と狼のラビリンス』へようこそ。
黎翔と夕鈴が大好きな管理人・慧ネンが、溢れる妄想を書き殴るために作ったブログです。
原作沿いや現代パラレル、色々ありますので、お好きなお話をお読み下さい。
よろしくお願いします。

†いらっしゃいませ†

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