兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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My Sweet☆Home~父と子の、小さな変化~

こんばんは、慧ネンです!
ちょっと間が空いてしまってすみません。

安定の水曜日に帰宅後更新つもりだったのですが、急遽残業になり、コメントを数件お返事した後撃沈(*_*;
翌日は遅番、そして早番と続き、家に帰り着いたらご飯を食べて即寝状態。
本日(28日)は仕事が休みなので、ようやくアップする事が出来ました。

溜まっているコメント返信も、本日中に全て終えようと思います。
そして、何かストック用意出来たら良いな…。

今回のお話は、夕鈴が珀家でバイトを始めて間もない頃の様子を書いてみました。
『~求める存在(もの)~』の一話と二話の間くらいですね。
なので、黎翔パパはまだ子育てにあまり積極性が無いし、夕鈴とは雇い主とバイトという関係です。

タイトルが決まらず、某SNSで助けを求めました。
力を貸して下さった皆様、その節は本当にありがとうございました(^^♪

※子供の成長についての表現があります。もしかしたら違っているかもしれません。神経質な方は閲覧をお控え下さいませm(__)m


***


My Sweet☆Home~父と子の、小さな変化~


高校二年生の夕鈴が仲良くなった聖蘭と清良のお宅で、二人の多忙な父親に頼まれてベビーシッターを始めてから数日が経った。
彼女は授業が終わった後保育園に子供達を迎えに行くので、どうしても他の保護者よりお迎えが遅くなってしまう。
もちろん他にも様々な事情を抱える家庭があり、彼女が園に着いた時、日によっては数人残ってる日もあった。

その日は放課後進路の事で担任の先生に捕まってしまい、少し遅くなると連絡は入れていたものの急いで園に向かった。
普段より遅い時間の割に聖蘭と清良の他に五人くらいの子供が園に残っていて、夕鈴が部屋を覗くと何やら楽しそうに遊んでいる。
人見知りが激しい清良も珍しく笑顔で、キャッキャッと声を上げながら体をバタバタさせているのを見て、別に急いで帰る必要もないし、もう少し遊ばせてあげようかなとクスッと笑った。

「すみません。聖蘭ちゃんと清良君のお迎えの方ですよね?」

そんな夕鈴に声を掛けてきたのは、先生の一人だった。園での事を楽しそうに話す聖蘭から良く聞く名前で、お世話になっているんだろうなと思いぺこりと頭を下げる。

「二人の事でちょっとお話良いですか?」

楽しそうな二人は夕鈴のお迎えに気付いた様子はなく、友達と仲良く遊んでいる。そんな子供達を確認して、先生は事務室に夕鈴を誘った。

黎翔が珍しく早く帰宅すると、ハウスキーパー兼ベビーシッターとして雇っている夕鈴が玄関先で仁王立ちして彼を待っていた。

普段帰宅時間が遅い黎翔が、この日のように彼女に会えるのは稀だった。
腰に手を当てて出迎えた夕鈴に何事かと焦ったが、それを顔に出すのは癪で、黎翔も「…何だ?」と無表情に見下ろす。

「…お話したい事があります。」

バイトの雇い主で、この家の家主でもある男にムカついていたものの、仕事から帰って来たばかりの疲れている黎翔を立ちっ放しにさせておくのは悪いと思い、夕鈴はリビングで話をする事にした。
コートを脱いでネクタイを緩めながら、渋々と言った感じでソファに座った黎翔の前に温かいお茶を置くと、夕鈴は彼の向かい側に腰を下ろした。

今日二人を迎えに行った時園の先生に言われた事。

「…実は、今日園のお庭をみんなでお掃除する恒例行事がありまして。服が汚れるので着替えを持たせるよう、各家庭に頼んでおいたのですが…。」
「…えっ!?」
「二人とも持っていなかったのでもしやと思ったのですが、そのご様子だと御存じなかったみたいですね。連絡ノートと言う物がありまして、毎日目を通して欲しいと珀さんには以前から…まだ離婚される前は奥様にも何度かご注意したのですが…。」

夕鈴は絶句した後、真っ青になった。
そんなノートの存在なんて、黎翔から何も聞いていない。

「す、すみませんっ!!」

ガバッと頭を下げて謝った夕鈴を、先生は困ったように押し止める。

「いえいえ、私どもは良いのですが、皆と同じ事が出来ない二人が可哀想ですので…。」

結局、聖蘭と清良は園の中で見学になったそうだ。
水に濡れたりもするので、着替えの無い状態で参加して、風邪でも引いたら大変な為、園としてはそのような措置を取るしかないとの事。

清良はともかく、聖蘭は皆が楽しそうにしているのをつまらなそうに見ていたと聞いて、夕鈴は彼女に悪い事をしてしまったと悔やんだ。

そしてその怒りの矛先は、目の前で呑気に茶を啜っている二人の父親に向けられたのだ。

「そういう事はきちんと言っておいてもらわないと困ります…って、ちゃんと聞いてます!?」
「…聞いてる。」
「持たせてほしい物とか、一日の子供達の様子とか書かれているんですから、連絡ノートは毎日確認して下さいね!?」

キャンキャン吠える夕鈴を前に、疲れたなとか、腹減ったとかぼんやり思っていた黎翔だったが…。

バンっとテーブルが叩かれて、思わず硬直してしまった。
恐る恐る顔を上げると、そこそこ可愛い顔をしている夕鈴が般若のような表情をして黎翔を見ていた。

「い・い・で・す・ね?」
「――はい…。」

力無い黎翔の返事を聞いて、テーブルに手を突いて身を乗り出していた夕鈴は浮かしていた腰を下ろした。

ハアッと溜息を吐く彼女を見ながら、園の先生に何か言われたのだろうかと思う。
そう言えば以前からもっと子供の事に気を配って下さいと注意されていた黎翔だったが、基本子供達の事は妻に任せていたし、子供達も特に問題を起こさず今まで来たのだから大丈夫だと思っていた。
どうしても必要な事は、聖蘭が自分から言うだろうと。

「…それ、本当にそう思っているんですか?」

思わずぼやいた言葉に、夕鈴は呆れたように顔を顰めた。

聖蘭は確かに賢い子だ。
何事も自分で出来るし、弟の面倒もよく見ている。
けれどその賢さが仇となって、大人の顔色を窺いながら日々を過ごすようになってしまっている。

『何も言わない』ではなく、『言う事が出来ない』のかもしれない。
そう言うと黎翔は、「聖蘭がか?」と意外そうな顔をした。彼から見ると娘は、自分の意見もはっきり言うし、何事に滅多に動じない強い子だった。
清良も人見知りが激しいのは気になっているが、まだ二歳なのだし、もう少し大きくなれば問題はないと思える。

「…世の中の五歳の女の子全員が、我儘も言わずに下の子の面倒見て、何でも一人で出来ると思いますか?それに清良ちゃんも…、普通二歳の子供ってもっと沢山喋れるはずですよ。」

聖蘭の事もだが、夕鈴は清良の事が凄く気になっていた。
彼が話す言葉は、「パパ」「ねえちゃ(お姉ちゃん)」「まあま」など、単語が多い。そして口数が少ないし、人見知りが激し過ぎるような気がする。

夕鈴が指摘すると、黎翔は神妙な顔付きで考え込んでしまった。
今まで何もかも妻に任せっきりだった為、子供達の様子もこれが普通だと思っていたが、いざ周囲から指摘されるとやはり問題点はあるのだ。

「…こんな事言いたくないんですけど、別れた奥様が関係してるんじゃないですか?」
「…元妻が?」
「聖蘭ちゃんが大人の顔色を窺ったり我儘を言わないのも、清良ちゃんの言葉数が少ないのも、そう言う態度を怒られたからじゃないかと思うんです。」

幼い子供にとって、母親の影響力は大きい。
それがどんなに理不尽な事でも、心無い言葉でも、子供にとっては絶対的な全てだ。

もし、何か欲しい物があって我儘言った時に叩かれたり、一生懸命話し掛けている時に「静かにして!」と怒られたりしていたとしたら。
母親を怒らせないように顔色を窺う事を覚えたり、我儘を言わなくなったり、息を潜めて静かにしていたら言葉も覚える事が出来ないので、会話が舌足らずな単語だけになってしまう。

家庭を放棄し、滅多に家に帰らない黎翔の知らない所で、そういう事が日常的に繰り返されていた可能性もある。

「…今までの事を責めているんじゃないんです。でも、変わっていこうと思ってるのでしょう?子供達のために、変わろうとしているのでしょう?だったら、二人の事をもっとちゃんと見てあげて下さい。」

「お願いします」と、頭を下げた彼女の旋毛を見ながら黎翔は内心驚いていた。
血の繋がりも全くない赤の他人なのに、どうしてここまで、子供達の事を思ってくれるのだろう?

「君は…」

ポツリと呟いた黎翔に「え?」と顔を上げた夕鈴だったが、彼が何かに気付いたように「シッ!」と声を抑えた。
背を向けていた夕鈴は気付かなかったが、彼女の後ろの子供達が寝ている和室の襖が少し空いていて、聖蘭が小さな顔を覗かせてこちらを窺っていた事に気付いた。
今は奥に行ったのか姿は見えないが、静かな部屋にカサカサと何か紙が擦れるような音がしている。

二人は顔を見合わせて、物音を立てないように気を付けながらそっと和室に近寄る。
隙間から中を覗くと、こちらに背を向けた聖蘭が何かをしているのが見えた。

「…聖蘭。」

ガラッと衾を開けて黎翔が声を掛けると、彼女の小さな背中がびくりと震えた。

「…パパ、なあに?」

不思議そうに振り返った彼女が、何かを懐に隠すように抱き込んだ事に二人は気付いていた。

「何を隠している。」
「やだなあ、パパ。聖蘭、何も隠してないよ?」

冷たい瞳で娘を見下ろす黎翔は、今にも聖蘭から無理矢理奪い取りに行きそうな雰囲気だ。
緊迫な空気が漂い、焦った夕鈴が「ちょっと、珀さん…!」と彼を咎めようとした時。

「…嘘を吐くな!見せなさい!!」

黎翔の怒鳴り声に、眠っていた清良まで目を覚まし「ふえ…」と泣き出した。
可哀想なくらい大きく肩を震わせた聖蘭は、怯えたように父親である黎翔を見上げている。

夕鈴はカッとなって、背の高い黎翔の頭に背伸びして拳骨を喰らわせた。
後ろからの予期せぬ攻撃に、呆然と目を見開いた黎翔は頭を押さえ彼女を振り返ると「何をする…。」と呟く。
拳骨で殴られたらしい事が分かったのは、彼女がその小さな拳をブルブル震わせていたから。

「だから、そう言う態度がダメだって言ってるんです!」

黎翔を叱り付けた後、夕鈴は二人に近寄り、傍に膝を着く。
泣いている清良を宥めてから聖蘭の方を向くと、彼女はやっぱり震えていて泣きそうになっていた。

「聖蘭ちゃん。それ、お姉ちゃんになら見せてくれる?」

これ以上怖がらせないように優しく問い掛けるが、フルフルと首を横に振られてしまった。

「…ダメなの?」
「聖蘭、何も持ってないもんっ!」
「でも、小さな背中の後ろから、白い物が見えてるよ?」

こちらを向いた時に彼女が懐に隠していたものを背中に回した事に、黎翔も夕鈴も気付いていた。
『見えている』と言われて、聖蘭は慌てて両腕を背後に回し必死に後ずさる。

「な、何もないもん!持ってないもんっ!!」

笑顔で近付いてくる夕鈴すら、聖蘭は今にも泣きそうな表情で見てくる。
可哀想だが、頑なになっている彼女の心は、早めに解かしてあげた方が良い。

「…どうしても見せてくれないの?じゃあ…。」

ズイッと聖蘭の傍に寄った夕鈴は、彼女に向かって両腕を伸ばす。

「おい…!?」

人の事は止めておいて、結局そうするのか?と黎翔が声を上げた時。

「言う事聞かない子は、こうしちゃうぞ?」
「きゃはっ!きゃはははは…!」

聖蘭の笑い声が部屋の中に響く。

「こちょこちょこちょ♪」
「きゃははっ、くすぐったあい…!」
「きよも、きよも~!」

楽しそうな声に自分も混ぜて欲しくなったのか、ついさっきまで泣いていた清良も顔をキラキラさせて輪に入ってくる。
遊んでいるわけではないんだけどな、と苦笑いしながら、嬉しそうだから良いかと思う。

「じゃあ二人一緒にこちょこちょこちょ…!」
「「きゃははははっ!」」

布団の上をころころ転がりながら騒ぐ子供達と夕鈴を、黎翔は呆気に取られながら見ていた。

「「…親子遠足?」」

聖蘭から差し出された用紙を見て、黎翔と夕鈴の言葉がハモる。

夕鈴の擽りの刑が終り、ハーハーと笑い過ぎて乱れた息を整える三人。
聖蘭があんなに頑なになって、二人に見せまいと隠していた物の内容に拍子抜けだった。

「だって…。見せてもパパはきっとお仕事忙しくて無理だし、夕鈴お姉ちゃんも来れないよね?」

シュンと俯く聖蘭に、夕鈴も申し訳なく思いながら「ごめんね」と謝る。
その日は平日、学校がある夕鈴は参加出来ない。

「…それだけが理由で、あんなに見せるの嫌がったの?」

また眠くなってうつらうつらしている清良を胸に抱いて揺らしながら、夕鈴はそう聞いてみた。
きっと他に何か、理由があるはず。

躊躇うように口を開き掛けては閉じるを繰り返している聖蘭を、黎翔も夕鈴も急かす事なくじっと待つ。
やがてキュッと口を引き結んだ彼女は。

「…まだママがいた時、保育園でもらったお知らせを見せたの。」

春の遠足についてのお知らせだったように思う。
すでに夫婦の仲は冷め切り、帰ってこない夫を待つ彼女は、見るからに荒み、子供達に対する暴力も酷くなっていた。

酒を飲んで酔っ払っていた彼女は、聖蘭が差し出したそれを見た途端豹変した。
『煩いわね!こんなの一人で勝手に行きなさいよ!!』
手を振り上げた産みの母の姿は、聖蘭のまぶたに焼き付いて今も離れない。

「これを見せたら、怒られてまた叩かれるかと思ったの…。」

席を立った黎翔が、ポロポロと涙を流す娘をギュッと抱き締めた。

夕鈴の言う通りだった。
娘は確かに賢い子だけれど、心の中に深い傷を負って生きている。
そしてその傷が、じわじわと膿となって今も彼女を苦しめている。
そんな娘を支えていかなければいけないのは、親である黎翔なのだ。

片手で聖蘭を抱いた状態で、黎翔はすぐに職場の同僚に連絡を取り、その日の勤務を変わってもらった。
ぐずぐずと鼻を啜りながら、そんな父親の横顔を見ていた聖蘭。
通話を終えた黎翔は、きょとんとしている娘の頭を撫でた。

「…俺は今まで、父親らしい事を何もしてこなかったな。頼りない父だが、これからは思った事は言ってほしいし、駄目な事は指摘して欲しい。」
「パパ…。」

血の繋がりはあっても、彼らの関係は『親子』とはほど遠かった。

「ママはもういないけど、清良と三人で今度こそ本当の家族になろう。」

そのための努力を、これからはしていくつもりだ。

「パパ…!」

目を真っ赤にした聖蘭は、黎翔に飛び付いてギュウッと抱き着いた。

そんな父娘(おやこ)の姿を、夕鈴は清良を抱っこしたまま微笑みながら見ていた。
不器用なこの親子は、時間は掛かるかもしれないが、いつかきっと温かい家庭を築けるだろう。
羨ましくもあり、そんな家族の一員に自分はなれないんだと思うと、ちょっぴり寂しかった。

聖蘭が待ちに待った親子遠足の日は快晴だった。
園の前で、用意されたバスに乗り込もうとしていたら、「珀さん!」と柔らかい声が掛けられる。
聞こえるはずの無い彼女の声に、黎翔より先に聖蘭と清良が反応して駆け出していく。

「お姉ちゃんっ!」
「まあま!」
「おはよう、二人とも。晴れて良かったね!」

子供達が飛び付いたのは、制服姿の夕鈴。

「おはようございます!」

子供達を蝉のようにぶら下げた夕鈴は、ふらりと近付いてきた黎翔に眩しい程の笑顔で挨拶をする。

「…おはよう。どうしたんだ?」

不思議そうに問われて、「これ、良かったら…。」と夕鈴は照れたように笑って手に持っていた袋を差し出した。
中には弁当らしい箱と、水筒が入っている。

親子遠足の話を聞いた時、平日なので一緒に行く事は出来ないが、出来るならお弁当を作ってあげたいと思っていた。
いつもより早起きして準備して、重箱に詰めて持ってきた。
ギリギリになって焦ったけれど、マンションではなく直接園に来て正解だった。

「間に合って良かったです。」

バスの中から興味津々で見ている奥様方の視線に晒してしまって、申し訳ないような気もするけれど。

途中休憩で止まるというサービスエリアで弁当でも買おうと思っていた黎翔は、彼女の心遣いに「ありがとう。」と素直に礼を述べた。

お昼ご飯の時間。
好きな場所で食べて良いという事だったので、黎翔達は日当たりのよい絶好のポイントを見付けてレジャーシートを敷いた。夕鈴が持ってきてくれた弁当を黎翔が開けるのを、子供達はそわそわしながら待っている。

「わあっ…!」
「おいちそうっ…!」

二人が感嘆の声を上げる。
子供達用は所謂キャラ弁と言うもので、朝の登校前の忙しい時間に良くこんな手の込んだものが作れたなと思えるほど手が込んでいる。
一方、黎翔の弁当も何故か彼の好物ばかりが沢山詰められていた。

「聖蘭ちゃんのお父様、あの、これ良かったら…。」
「珀さん、良かったらご一緒しませんか?」

父子家庭の珀家に、作った物を差し入れに来てくれたり、独り身の黎翔とあわよくば親しくなろうと声を掛けてくる奥様方に、彼は微笑むと「お気遣いなく。」とそれを断った。

「子供達は人見知りが激しいですし、弁当はほら、この通りきちんとありますから。」

広げられた弁当はとても豪華で、愛情がこもっていて美味しそうだ。
明らかに誰かの手作りと思われる弁当を嬉しそうに見せつけられて、奥様方は歯痒い思いをしながらすごすご退散していった。

そんな彼女達の後姿を見ながら、クッと笑った黎翔とプッと吹き出した聖蘭はやっぱり似た者親子なのだろう。

「「いただきます」」
「いたやきまーす!」

きちんと手を合わせた三人は、夕鈴が作ってくれた弁当を突く。一緒に入っていた二つの水筒には、お茶とお味噌汁が入っていて、至れり尽くせりだ。

「美味しい…!」
「おいちいねっ!」
「…美味いな。」

美味しいご飯に箸は良く進み、温かい飲み物はお腹の底から身体が温もってホッとする。

食べ終わるとお腹がいっぱいになった子供達は、そのままお昼寝を始めてしまった。
身体が冷えないように、着ていたコートを二人に掛けてやる。

そよぐ風を頬に受けながらふと視線を上げると、飛び込んでくるのは美しい紅葉と青い空。
この美しい景色を、今はここにいない彼女といつの日か一緒に見れたら良いなと黎翔は思った。


END


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  • posted by  
  •  
  • 2015.03/28 02:46分 
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やっちゃってましたか〜また名無しで失礼しましたm(_ _)m
送り狼さんにもコメント返信いただけるなんてありがとうございます(o^^o) 感激しております✨
飲食店を主人と経営しているので、あんな時間には疲れ果てて、思考能力ゼロに近くなります。
昨日は次男はお店に連れて行っていたので、長男はまだ13歳にもかかわらず夜10時に塾から帰っても誰一人居らず、晩御飯も一人で食べ、一人で就寝するという寂しい時間を過ごさせてしまいました、ゴメンねの一言です。 日が変わる前には飛んで帰宅しましたが、寝ちゃってました。次の日、早朝から部活ですし、それでいいんですが。
昨晩の事があるので、優しく起こし、笑顔でそれなりの弁当を持たせてやれました(^-^)夕鈴には遠く及びませんが、美味しく食べてくれる筈‥(*^_^*) 部活って、本当に朝早いです。7時には家を出発ですから(T . T)

黎翔さん、バスに乗る前に夕鈴の笑顔、見れちゃっているじゃないですかぁ♡♡♡ 子供の前で結構素直に感情出してますね〜(≧∇≦)
黎翔パパ頑張れ‼︎
  • posted by フルグラです(^∇^) 
  • URL 
  • 2015.03/28 08:29分 
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幸せ家族に一歩ずつ近づいてますね♪
(*^^*)

家族にはなれないと思ってる夕鈴が少し寂しいけど、いつかきっと本当の家族になれますよねー♪
さぁ!黎翔パパ!
奥様方を蹴散らし?て、夕鈴と早く家族になってね♡
∪//ノωノ∪ ソシテラブラブニ←

  • posted by 桃月 
  • URL 
  • 2015.03/28 10:17分 
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こんにちは
いいですね(*^^*)豪華手作り弁当〜。
お母様方、他所様のお父さんに色目使っちゃダメだってww。でも豪華な手作り弁当見せられたら、主婦としては引き下がるしかないですよね。夕鈴、さりげなく黎翔さんの好物たくさん入れて、愛だわ〜(*゚▽゚*)。
是非その後、4人でお花見ピクニックでも行って欲しいものです。
ほのぼのしたお話、ありがとうございました。
  • posted by けい 
  • URL 
  • 2015.03/28 14:06分 
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小さい頃のショックって結構なトラウマになって、乗り越えるのはとても難しいですもんね(>_<)
でも心入れ替えた黎翔パパと夕鈴とに守られて、元気に育ってほしい!
早く本物のママになって欲しいなあ(о´∀`о)
でもでも、拳骨って(笑)
夕鈴ママ♪素敵ですo(^o^)o
  • posted by もずく 
  • URL 
  • 2015.03/28 21:48分 
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Re: タイトルなし 

ますたぬ様

わわわ…!こんな時間にコメントありがとうございます(^_-)-☆
相変らずの早やさ☆センサー恐るべしww
うんうん。努力は必要ですよね、黎翔さん。
最初がアレだったからなおさら。
このシリーズを好きと言ってくれて嬉しいです(^^♪
  • posted by 高月慧ネン(ますたぬ様へ) 
  • URL 
  • 2015.03/29 01:53分 
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Re: タイトルなし 

フルグラ様

あ、やっぱりフルグラさんだったのですね。文章の感じが何だか似てるな~と思いながら読んでました。
ご夫婦で飲食店経営!現実ではとっても大変だと思いますけど、黎翔と夕鈴が二人で飲食店経営してると妄想したら美味し過ぎたww
お子様、春休みも部活って大変ですね。まあ学生は学業と部活が仕事のようなものですかね☆
夜も遅くて朝も早く起きなくてはいけないなんて、睡眠時間確保できてますか!?
ってか、起きる事が出来るのが不思議です(*_*;

黎翔パパは子供達がいるとちょっぴり素直になれるみたいです。夕鈴と二人きりだとまだまだ。
前途多難ですね~。
もっとパパにハッパを掛けてやって下さい(^v^)
  • posted by 高月慧ネン(フルグラ様へ) 
  • URL 
  • 2015.03/29 02:03分 
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Re: タイトルなし 

桃月様

傍から見れば、もう幸せな家族の風景ですよね!
本物になるには、色々問題があるみたいですが…。
パパは夕鈴以外の女には興味が無いのでご安心を。
後はもう少し素直になりなさーい!と言いたいですね。夕鈴との距離が近くなっているのか、変化無しなのか。
まあ、夕鈴が鈍いのも原因の一つでしょうか。
二人も応援してあげて下さいね~。
  • posted by 高月慧ネン(桃月様へ) 
  • URL 
  • 2015.03/29 02:09分 
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Re: タイトルなし 

けい様

餌付って効果絶大ですよね(^^♪
夕鈴の、無意識な牽制だったりして。(他の奥様方に対しての)
黎翔パパは見目麗しいから、奥様方もたとえ旦那いたとしても色目使っちゃうんですよ!
パパはそんなの、気にも留めないですけどね!
夕鈴の手作り弁当は、彼と子供達の胃袋も掴んじゃったみたいです。
お花見ピクニックも良いですけど、清良がもう少し大きくなってからじゃないと無理っぽいです。
あんな人混みの多い場所に行ったら泣いちゃいますよ。
また番外編で、このシリーズのほのぼのを書けたら良いなと思います(^○^)
  • posted by 高月慧ネン(けい様へ) 
  • URL 
  • 2015.03/29 02:15分 
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Re: タイトルなし 

もずく様

子供が抱えているトラウマを、大人が気付いてあげなくちゃ駄目ですよね!
変わろうと頑張っているパパと、優しい夕鈴ママ(予定)に見守られながら、元気にすくすくと育ってほしいものです。
分からず屋な男には、たまには拳骨も必要ですよね。
本物夫婦になった後も、何かあるたびに拳骨くらわせていたら面白いなww
夕鈴は間違いなく、肝っ玉母ちゃん、かかあ天下になりそうです。
  • posted by 高月慧ネン(もずく様へ) 
  • URL 
  • 2015.03/29 02:26分 
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  • [Res]

 

慧ネン様(^∇^)

返信コメントありがとうございます(o^^o)
いつも皆様のコメントも御返信も楽しく見させてもらっています♡
黎翔パパさんへはっぱをかけに来ましたぁ〜(≧∇≦)
このシリーズ、夜中自転車で帰っていくのが心配になる12月辺りの筈‼︎
クリスマス話は済んでるとしても、まだまだイベント沢山ですよ⁇ 聖蘭、清良を楽しませるためにも、夕鈴をどんどん引き込んじゃって下さい‼︎
それには黎翔パパさん!夕鈴の気持ちを誤解しているのを改める事からですよぉ〜聖蘭ちゃんにはもう解られてるんですからね〜(o^^o)

でも、二人の掛け合いも、ラブ風味も、悩んで悶々している回も全部好き。どうぞ長く続けて下さいませね❤︎


くすん ブログ訪問はこんなに楽しいのに、リアはバカバカ、どこが、どうしてこうなった‥
今日は免許更新に行くつもりにしていたのに‥
やっと作った時間だったのに‥
長男を見送り、みんなの朝ご飯を作り終えたら‥
なぜか‼︎ なぜか‼︎ 普通に布団で、二度寝をしていたぁぁぁんです(T . T)

次に起きたら受付時間過ぎていました‥
何ということでしょう‥
昨晩アルコールも取らずに、少しでも顔スッキリで免許更新の写真写ろうとまでして日が変わるまでに就寝したのに‥
どうして寝てしまったのでしょう‥
あぁ、二度寝って、気持ちいい‥‥
  • posted by フルグラです(^∇^) 
  • URL 
  • 2015.03/29 16:48分 
  • [Edit]
  • [Res]

 

こんばんは♪
コメントのお返事ありがとうございます!(*≧∀≦*)ファンとして、とってもドキドキしながら、読ませて頂きました!
天然小悪魔でハイスペック主婦顔負けの母性愛の強い夕鈴のミカタです♪(/ω\*)そして、そんな夕鈴に振り回されつつ惚れまくってる黎翔のファンです!そして、大ちゃんは、この二人をつつき回すから大好きです!
夕鈴のこちょこちょ攻撃、きっとパパも受けたかっただろうなぁ♪

Re: タイトルなし 

フルグラ様

コメント返し、ありがとうございます(笑)
皆さん言っている事ですが、黎翔パパがもっと態度を改めないと先に進みませんよね。言われた事、言葉通りに受け取る夕鈴ですから。
誤解されてますます嫌われる(?)事してどーすんのm(__)m
このシリーズの二人はラブ度より、悶々と悩んでいる事が多いと思います。
二人の長い長い物語を、末永く見守ってあげて下さい。
そしてもっともっとパパにハッパを!

…まあリアは色々ありますよね。
良い事も、悪い事も。うふふ
でも二度寝は気持ち良いから大歓迎。…と言いたい所ですが、予定がある時や仕事の日は慌てますよね~。
疲れているんですよ、きっと。
休みる時はゆっくり休んで下さいね(^v^)
  • posted by 高月慧ネン(フルグラ様へ) 
  • URL 
  • 2015.04/06 00:59分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: タイトルなし 

ゆあ☆様

コメント返し(笑)、こちらこそありがとうございます。
温かいお言葉は何よりの励みになります(^○^)
夕鈴は天然小悪魔ですか、そうですか…。無意識に珀一家を虜にしている彼女は確かに小悪魔なんでしょうね。
自覚が無いだけ性質が悪かったりします。
そしてあんなダメ男のファンだと言ってくれる強者がお一人ww
浩大先生にはこれからも二人(主にパパを)突き回してもらいたいものですね♪
そしてこちょこちょ攻撃を受けて喜ぶ、あんな図体だけでかい大人なんてきっと可愛くないですよ。
やっぱりここは可愛い子供達の姿を見て癒されたい所です(^^♪
  • posted by 高月慧ネン(ゆあ☆様へ) 
  • URL 
  • 2015.04/06 01:07分 
  • [Edit]
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高月慧ネン

Author:高月慧ネン
『兎と狼のラビリンス』へようこそ。
黎翔と夕鈴が大好きな管理人・慧ネンが、溢れる妄想を書き殴るために作ったブログです。
原作沿いや現代パラレル、色々ありますので、お好きなお話をお読み下さい。
よろしくお願いします。

†いらっしゃいませ†

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