兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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♪新年の宴~in珀家~

こんばんは、慧ネンです…!

新しい年を迎え一週間以上たって、あけおめ小説をお届けに参りました。
一応言い訳させて頂きますと、~in汀家~をアップした翌日、つまり5日から体調を崩しまして、仕事を休んだり、病院に行ったりしていました(*_*;
元々血液検査に健康診断の度引っ掛かっていたんですけど、大した事ないとタカを括っていたんですよね…。自覚症状が無いと、病院に行くのも億劫で。
放置していたツケが、見事にやって来たのです。
5分程しか歩いてないのに息切れが酷くて、冷や汗、眩暈、視界真っ白で立っていられない…。たかが貧血だと、バカにするものではありませんね。血液中の鉄が少な過ぎて、酸素不足で過呼吸状態になっていましたm(__)m
今では点滴と錠剤で、鉄を補充中です。

まだ全快ではありませんが、少しは良くなったので、半分だけ書いて止まっていた新年の宴珀家バージョンをアップします(^^♪

今回のお話は、夕鈴が高校3年生です。
そしてオリキャラ(黎翔の家族)が出ます。苦手な方は閲覧をお控え下さいね。

☆オリキャラ☆

珀 翔龍(はく しょうりゅう)…黎翔の父。
珀 玉蓮(はく ぎょくれん)…翔龍の妻、黎翔の義母。
珀 漣流(はく れんりゅう)…黎翔の異母兄。


ちょっと長くなりましたが、少しでも楽しんで頂ければ嬉しいです☆
それでは、どうぞ~(^○^)



***


♪新年の宴~in珀家~


「…黎翔さん、本当に良いのでしょうか?」

クラシックが流れる静かな車内で、不安な表情で問い掛けてくる恋人に黎翔は笑みを返す。

「大丈夫だって。お義母さんからも誘いがあったんでしょ?」
「はい。是非にと言われたんですけど…。」

数日前に彼の義母から電話をもらって、是非一緒に来て欲しいと乞われたけれど。
親戚縁者が集まる大財閥のお正月の宴に、ただの一庶民の自分なんかが出て良いのだろうか。

「こ~ら、『自分なんか』と言うのは禁止。夕鈴は僕の大事な女性なんだから、君を卑下する者はたとえ君自身でも許さないよ?」

にっこり笑っているのに、纏う空気が怖い。

「…分かった?」
「はい…。」

そう言わなきゃ、後が怖そうだ。

そうこうしているうちに大きな鉄の門に辿り着き、それは音も無く左右に開いて二人を迎え入れる。

夕鈴は黎翔の運転する車で、彼の実家・珀本家にやって来た。
門をくぐっても広い敷地が続くだけで、屋敷に辿り着くのも時間が掛かる。やがて目の前に、大豪邸が姿を現した。黎翔が実家の両親と和解して何度か一緒に来た事があるが、何度来ても慣れる事はない。
ここは本当に日本なのかと思ってしまう。

これまた広い駐車場には何台かの車が停まっていて(しかも車に詳しくない夕鈴でも知っているような高級車だ)、すでに何人かが来ているようだった。

今日は珀本家筋の他に、分家の重役達の家族も集まると言う話だ。
長い間疎遠だった次男・黎翔と和解して初めて迎える年。これを機に彼の父・翔龍は息子と、その恋人夕鈴を息子の婚約者として紹介するつもりなのだ。

緊張から表情の硬い夕鈴を見て、黎翔はふっと笑うと彼女の頭を撫でる。

「…大丈夫だよ。もしかしたら心無い言葉を言う者もいるかもしれないけれど、夕鈴なら絶対大丈夫。いつもの君らしく、毅然とした態度でいればいい。…初めて会った時、僕に啖呵を切ったようにね。」

ウィンクして茶化してくる黎翔に、夕鈴はホッと肩の力を抜いて「はい。」と微笑んだ。

「まあまあ、お帰りなさい黎翔さん。夕鈴さんも、よくいらしてくれたわっ!」

シャンデリアが輝く広々とした玄関ホールで、とっても嬉しそうな黎翔の義母・玉蓮に迎えられる。美人な女性なので、着ている着物が良く似合う。
挨拶をしているとその声が聞こえたのか、奥から紋付き袴を来た翔龍がやって来た。

「…おかえり。」
「ただいま。」

お互い照れたように短い言葉を交わす父子を、夕鈴と玉蓮は微笑みながら見詰める。

「…夕鈴さんも良く来てくれた。ゆっくりして行ってくれ。」
「あ、あのっ…!明けましておめでとうございます。本日はお招きありがとうございますっ!」

恋人に良く似た顔で微笑まれて、夕鈴は焦りながら新年の挨拶をする。
家から持参してきた重箱の包みを、二人に向かって差し出す。

「これ、良かったら…!来る前に作った栗きんとんと和菓子ですっ!」

玉蓮は料理が全くというほど出来ず、珀家にはお抱えのシェフがいる。お節はきっとそのシェフが腕によりをかけて豪華な物を作るだろうと思い、夕鈴は顔に似合わず甘いものに目が無い恋人の父親に食べてもらおうと和菓子を作った。

「ここに来る前一生懸命作っていたのそれだったの?」

とっても嬉しそうな父親を見て、僕の分は?と少し拗ねてしまった黎翔だった。

リビングに行くと、そこに集まっていた者達の視線が一斉に二人に向けられた。
年頃の若い娘も何人かいて、黎翔を見て「嘘…。」「Rei…?」と呟いている。

「ここで見た事、聞いた事は時期が来るまで他言無用だ。その意味が分からないほど愚かな者はいないだろう。」

翔龍の一声に、騒がしかったリビングはシーンと水を打ったように静まり返ってしまった。


夕方になり、招待客がすべて集まった。本家分家の一部の人間だけとは言え、かなりの人数でごった返す隙間を縫いながら、玉蓮が静かに、だが焦った様子で歩いている。

一室で義兄の漣流と談笑している黎翔を見付け、近寄ってくる。

「ああ、黎翔さん。夕鈴さんはどちらに?そろそろお着物の着付けをしようと思ったのですが、お姿が見えなくて…。」

眉を下げて困ったように言う玉蓮を見て、黎翔は慌てて腕時計を見る。少し前にお手洗いに向かったが、確かに帰ってくるのが遅い。広い屋敷なので、どこかで迷子になっているのか。

「奥様、坊ちゃま方。」

その時、古参のメイドがやって来た。とても慌てているが、背筋を伸ばして立ち止まりきちんと頭を下げる所はさすがである。

「何かありましたか?」

そう問い掛けた玉蓮に、そのメイドは「夕鈴様が大変なんです…!」と告げた。

夕鈴が初めて珀本家にやって来た日、失態を彼女に庇ってもらった本家のメイドや執事達は皆夕鈴に友好的だ。
知らせに来てくれたメイドに案内されたのは、普段あまり使用していない廊下の奥にある部屋。
耳を澄ますと、中から数人の話し声が聞こえてきた。


お手洗いを出て黎翔の元へ戻ろうとした夕鈴は、煌びやかなドレスを着た若い女性達に囲まれてしまった。そして誰もいない部屋に連れ込まれて、数人に問い詰められる。

「あんた、一体どうやってReiに近付いたの…!?」
「何のとりえもない、ただの一般人が芸能人の恋人なんて信じられない!」
「そうよ!大して綺麗でもないくせに生意気!!」
「そんな庶民染みた格好して彼の隣に立つなんて許せないっ!!」

様々な暴言を、彼女達から浴びせられる。

夕鈴の格好も、彼女らを助長させる原因の一つだったかもしれない。
つい先程まで、黎翔と翔龍の好物を作るためにキッチンでシェフ達に混じって料理をしていた夕鈴は、普段着にエプロン姿だった。

ただの一般人の自分が、黎翔に相応しいとは思っていない。でも、彼の寂しそうな表情を見た時、抱える苦しみや孤独を知った時、ずっと一緒にいてあげたいと思ったのだ。

向けられる見下した視線も、侮辱の言葉も、何も初めてじゃない。いつもの事だ。
挫けそうになる時もあった。泣いた時もあった。
――でも。

『…大丈夫だよ。もしかしたら心無い言葉を言う者もいるかもしれないけれど、夕鈴なら絶対大丈夫。いつもの君らしく、毅然とした態度でいればいい。…初めて会った時、僕に啖呵を切ったようにね。』

彼が、そう言ってくれたから。

「…私のこの姿が相応しくないと言うのなら、貴女方も同じじゃないですか?」

私は私らしく、いられる。

「本日行われるのは、珀本家の新年の宴。社交パーティーや舞踏会ならともかく、そんな胸元や背中が大きく開いたドレスや、深めのスリットが入ったドレスは由緒ある珀財閥の趣に相応しくないのでは?」

にっこり笑ってそう言った夕鈴に、彼女達は「な…!?」と顔を真っ赤にしてわなわな震える。

「私がこの姿でいるのは、シェフの方のお手伝いをしていたからですわ。私服なのは、この後お義母様に着物を着付けて頂く事になっているの。」

怯まずに胸を張って言葉を返す夕鈴の姿は、凛として美しい。

「…な、何よ!?ちょっと叔父様と叔母様に気に入られているからって、いい気にならないでよ!!」

分家の娘が、ヒステリックに声を荒げた。
振り上げられた彼女の手を見て、叩かれると夕鈴が目を閉じて歯を食いしばった瞬間。

「――そこまでだ。」

障子が開けられ、翔龍の低い声が響いた。

「夕鈴、大丈夫…!?」

すぐさま少し蒼褪めた表情で駆け寄ってきた黎翔に抱き締められて、夕鈴はホッと息を吐き、大丈夫だと答える。

「ここで何をしている。」

黎翔とそっくりの、いや年を経ただけさらに鋭くなった翔龍の冷たい瞳に射抜かれて、彼女達は動けなくなった。本家の現当主である彼に睨まれたら、自分達はおろか家の存続も危ぶまれるからだ。

「…何もありませんわ、お義父様。」

ガタガタと震えて声すら出ない彼女らを哀れに思い、夕鈴は黎翔に抱き締められたまま答える。
翔龍の視線が夕鈴に向けられたが、彼女は動じる事無く淡々と言葉を紡ぐ。

「皆様、とても寒そうなお姿をしているので、お風邪を引かれませんようにと申し上げていただけですわ。」

にっこりと微笑んだ夕鈴に、「ね?」と同意を求められ、彼女達はコクコクと首を縦に振った。

「…ぷっ!」

思わずといった感じで漣流が吹き出し、玉蓮も笑みの浮かぶ口元を隠すように袖で押さえる。夕鈴をギュウギュウと抱き締めてくる黎翔は、面白くないと言うように仏頂面。

実は翔龍は、部屋の前で聞き耳を立てている妻と息子達の姿に気付き、共に中の様子を窺っていた。なので分家の娘達が夕鈴に吐いた暴言も全て聞いている。

酷い事を言われたのに、それでもその相手を庇う優しさ。
毅然とした態度、凛とした美しい姿。
――やはり彼女は、息子の嫁に、この本家の人間となるに相応しい。

「…そうか。それは確かに大変だ。宴までまだ少し時間がある。それまでに着替えると良い。」
「「「「は、はいっ!!」」」」

クックッと笑いながらそう言うと、九死に一生を得た分家の娘達は我先にと転げるように部屋を飛び出していった。

「あははははっあの顔…!」
「こら、漣流。」

思い出しては笑いが止まらない漣流を玉蓮が窘めるが、彼女の表情も似たようなものだった。

「夕鈴さんの勝ちね。」

あの分家の娘たちは以前から漣流に言い寄って来たり、今日初めて会った黎翔にも色目を使うような女だった。何の力も無い癖にただ媚を売るような浅ましい女が、夕鈴に敵うわけがない。

「そ、そんな…。」

誇らしげに言われて、夕鈴は恥ずかしくなって視線を落とす。将来義理の両親になる二人に、彼女達相手に切った啖呵を聞かれていたんだと思うと何だか…。

「やっぱり僕の夕鈴は最高だねっ!」

さらに黎翔がそう言って笑うから、とても居た堪れなかった。


始まった新年の宴に夕鈴が姿を見せた瞬間、大広間にいる者全てが息を飲んだ。
高く結い上げられた髪、そこから覗く白い項、玉蓮が着付けた着物を着た彼女は、先程までの庶民染みた雰囲気が消え、誰をも魅了する色香と輝きを放っている。
広間の片隅で、先程のドレスから着替えた分家の娘達は、夕鈴を一目見た後バツが悪そうに視線を逸らして俯いていた。

珀本家・分家の一部が集まった新年の宴の席で現当主である翔龍はCreuzのリーダーで俳優のReiが、実子・黎翔である事を告げ、正式な公表は彼女が高校を卒業してからだが、夕鈴を息子の婚約者として認めている事を宣言した。

「よって、彼女に害なす者は我ら珀本家を敵に回すと心得よ。」

チラリと視線を向けられて、夕鈴に暴言を吐いた分家の娘達とその家族は、あの時彼女が何もなかった事にしてくれなかったら自分達は今頃とんでもない事になっていたのだと震え上がり、宴の間中ずっと縮こまっていた。


行儀が悪いと分かっていながら、夕鈴はベッドにその身を投げ出す。
結い上げた頭は重たいし、着慣れない着物は苦しかった。着物姿で美しく立ち回る、玉蓮を本当に尊敬してしまう。

「…お疲れ様、夕鈴。」

労わるように声を掛けてくれる黎翔を、ベッドに横になったまま見上げた。

慣れない酒の席の上、緊張の連続で疲労がピークに達した夕鈴を心配して、黎翔は父に断り先に席を外させてもらった。
今はもう夜も更け宴もお開きになり、帰った者もいれば一部の人間は客間に案内され泊まっている。ここは黎翔の自室で、お風呂で温まった後寝間着に着替え、部屋に着くと同時にベッドにダイブしてしまった。

未成年の夕鈴はジュースだったが、本家現当主の血を引く黎翔とお近付きになろうと彼の元には引っ切り無しに酒を注ぎにやってくる者ばかりで、かなりの量を飲んだはずなのに表情は素面のままだし足取りも全く危うくない。
自分の元に次々にやってくる、年齢が倍以上ある大人達を相手にしても黎翔は全く動じる事もなく、にこやかに対応して上手くあしらっていた。

そんな恋人の横顔を見ながら、やっぱり遠いなあと感じて夕鈴は少し寂しくなった。

ベッドはふわふわで寝心地がよく、うつらうつらしていた夕鈴はギシリと沈んだスプリングに黎翔がベッドに腰掛けた事に気付き無意識に手を伸ばす。
何も言わなくても、夕鈴の不安を消し去るように、その手を握り返してくれる彼。

グイッと引っ張ると、体重が掛からないように注意しながら伸し掛かって来た。
口付けを交わすと、酒の味に酔いそうになる。

「んあ…。」

唇を離せば、絡んだ舌が銀色の糸を引く。その様を、お互い目を逸らさずに見つめ合う。

「黎翔さん…。」

夕鈴の腕がそっと持ち上がり、縋り付くように黎翔の身体に回される。

このまま、彼の温もりに包まれたら、今感じている不安も全てなくなるかもしれない。
身分の差や、年齢の違い、育った環境の違い。
遠い存在の彼が、少しでも近くに感じるかもしれない。
このまま、抱かれても良い。抱いて欲しい…。

ギュッと、彼の身体を抱き締めると。

「――駄目だよ。」

両肩に手を置かれ、合わさった身体を引き離された。

熱っぽい夕鈴の瞳とは対照的に黎翔の目は冷めていて、彼女は冷水を浴びせられたように現実に引き戻された。まるで絶望にも似た感覚に襲われる。
じんわりと滲んできた涙が、ポロポロと頬を流れ落ちた。

「…どうして?…私、魅力ないですか…?」

こんな風に、同じベッドで寝る事は今までに何度もあった。キスはするし、お互いの身体に触れ合ったりはするが、最後の一線だけはまだ越えていない二人。

それが最近の夕鈴の不安に、さらに拍車を掛けていた。
お互い納得して決めた事なのに、黎翔が最後まで抱いてくれない事が辛い。

拭っても拭っても溢れてくる涙に、黎翔は困ったように眉を寄せ夕鈴を必死に宥める。

――魅力ないだって?
彼女は分かっていない。自分がどんなに魅力的なのか、ベッドの上ではどれほど妖艶な姿になるか。

今までどれほど、理性を総動員して全てを奪いたいと暴れる熱を押えて来た事か。
年上の大人の男の振りをして、隣で眠る彼女をじっと見つめていた事か。

今だって眠気でとろんとした瞳で見つめられて、風呂上がりの体温が高い身体で抱き付かれて、なけなしの理性を掻き集めて内の獣を押えている。
ここが実家である事すら、思わず忘れそうになった。しかも屋敷内には家族や親族も数人残っていて、声は聞こえないかもしれないがもしかしたら親族の誰かが聞き耳を立てているかもしれないというのに。

ぐらりと傾く理性を、必死に留める。

「…今抱かれたら、きっと後で後悔する。」

『一線を越えるのは、夕鈴が高校を卒業してから』

二人で決めた約束事、夕鈴の卒業まで、あと三か月。

高揚した気分に流されてその誓いを破ったら、今は良くても絶対後悔する。

それに出来るなら、実家ではなくマンションか別荘で、二人きりの濃密な夜を過ごしたい。
夕鈴には思いっきり啼いて欲しいし、甘い嬌声をずっと聞いていたい。
悦び乱れる身体を、誰に邪魔される事なく見詰めていたい――。

「…約束の日が来たら、夕鈴が満足するまでずっと抱いてあげるから。」
「…ん。」
「だから、ね?今夜はゆっくり寝よう?」

頭を撫でてキスをして、必死に宥めながら耳元で囁くと、最後にこくんと頷いて泣き疲れて眠ってしまった。

暫くは、夕鈴の横に横たわり、ベッドに立てた片肘に顔を乗せ彼女の顔を見つめていた黎翔だったが…。

「――黎翔、どうした?」

広い座敷で、長男の漣流と数人の親戚とまだ飲んでいた翔龍は、一人やって来た黎翔に気付いて声を掛けた。
早い時間に恋人と二人自室に下がったのに、彼女一人部屋に残してきた息子を怪訝な表情で見る。

「いえ、ちょっと…。」

気まずげに言葉を濁した黎翔だったが、漣流が笑いながら確信を突いて来た。

「可愛い恋人の寝顔を見て、このままここにいちゃマズイと思ったんだろ?」
「――義兄さんっ!!」

冷やかされて真っ赤になった黎翔に、そうかそうかと思い、杯を差し出す。
「…まあ、飲め。」
たまにはこんな風に、息子二人と飲むのも悪くない。

「…頂きます。」
傍に座った黎翔は杯を受け取り、グイッと一気に飲み干した。


翌朝、夕鈴が目を覚ました時には黎翔が隣で寝ていて、夜中にそんなやり取りがあった事など、ふかふかのベッドの中ですやすやと眠っていた彼女は知らぬまま、微笑ましい視線を向けてくる翔龍や漣流を不思議に思い首を傾げるのだった。

そして、屋敷をお暇する時に渡されたお年玉の、袋が膨れているのに驚愕する事も。

「「「…私達、夕鈴様のお人柄に惹かれましたっ!!良かったらお友達になって下さい…!!」」」

後日、偶然再会した分家の娘達にそう言われてメルアドを交換する事も。

――この時の夕鈴には、知る由も無かった。


END


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Comment

 

待ってました(^^)

家族ほのぼのな感じ?いいですね〜
そろそろ、最後の一線を越えるところも読みたいです!
ぜひ宜しくお願いします♡(>◡<)♡
  • posted by ちろ 
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  • 2016.01/09 02:46分 
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貧血大丈夫ですか!?
めまいや貧血というのは放っておくと慢性になる人が多いですからゆっくりしてリラックスさせてあげてくださいね。
珀家バージョン読めて嬉しいです。
夕鈴はやっぱりかっこいいですね。
さすがの人たらし(o^^o)
お友達になってください!って私もメアド交換したいです(*^^*)
  • posted by まるねこ 
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  • 2016.01/09 06:43分 
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  • 2016.01/09 06:44分 
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  • 2016.01/09 07:38分 
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おはようございますm(_ _)m

うぉー!珀家バージョン!
なんて美味(#^.^#) 最後はみんなみんな夕鈴大好きで幸せです! 黎翔さんは少しの間、取られていて下さい。父母執事さんにメイドさんに。実家に帰るたびにこうなるでしょうからなれてもらいまひょう♡ふふふ

お身体心配です(T . T)
看病に伺いましょう!←三連休
トンネル抜けて抜けて抜け‥たらすぐですε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘ ←何個でしたっけ?

お大事にされて下さいね(T . T)
  • posted by タイフーンです 
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  • 2016.01/09 10:35分 
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  • 2016.01/12 10:41分 
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Re: タイトルなし 

ちろ様

このシリーズも本編が全く追い付いていないですが、せめて正月ぐらいはね~とほのぼの目指しました♪
夕鈴はいつでもどこでも最強と言う事で☆
最後の一線?もう文章(SS)にしなくて経過報告だけで良いかなと思っているのですが…。
ダメですかね?
  • posted by 高月慧ネン(ちろ様へ) 
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  • 2016.01/17 00:04分 
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Re: タイトルなし 

まるねこ様

貧血の方は、点滴で鉄を入れてもらっている途中です。これで数値が上がれば問題無し、変動なければ他に原因ありと言う事でまたしばらく病院のお世話になりそうです(*_*;
貧血って、地味に恐ろしい症状だったんですね…。

珀家バージョンも頑張りました!
誰に対してもタラシな夕鈴が書けて楽しかったです(^^♪慧ネンもお友達になりたい。そして二人のラブラブぶりを近くで観察したいです♪
凛とした美しさを持つ夕鈴が大好きなのです~♥
  • posted by 高月慧ネン(まるねこ様へ) 
  • URL 
  • 2016.01/17 00:15分 
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Re: タイトルなし 

ますたぬ様

誰にでも好かれる人たらし夕鈴に黎翔も惹かれてるけど、嫉妬もしそうですね。「夕鈴は僕だけのものなのに~」とか。
二人の初めては、2人静かに過ごせる場所が良いでしょう。防音でも、親がいる家でと言うのはちょっとね…。狼が兎を手に入れるのは、自分の巣穴の中って感じ♥
体調はだいぶ良くなったと思います。病院って本当に行くのめんどくさいんですよね。でもそうも言っていられなくなりました(*_*;
頑張って点滴行きます…。
  • posted by 高月慧ネン(ますたぬ様へ) 
  • URL 
  • 2016.01/17 00:21分 
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Re: おはようございます 

たつぼん様

こんばんは~(^^♪
体調は少しずつ良くなっていると思います。(多分)
しんどい時にはきちんと休みますので、ご心配なく~。お気遣いありがとうございます(^^♪
慧ネンも数値が増えなければ、そちらの病院にかからないといけません(*_*;でも行くの嫌なんです~(泣)
サプリ飲むのも苦手←薬じゃなくても、飲みこまないといけないものや、苦いものはイヤ。
鉄を点滴で取り始めて、手足の冷えがマシになった様な気がします♪

カッコいい夕鈴!最高ですよね!!
この調子で皆虜にしてしまえば良い♥
  • posted by 高月慧ネン(たつぼん様へ) 
  • URL 
  • 2016.01/17 01:03分 
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Re: タイトルなし 

タイフーン様

こんばんは(^^♪
夕鈴は天然人たらしなので、無自覚に皆に好かれていくんだと思います。
仰る通り、実家に帰るたびに父母メイドに執事、シェフまでこぞって、「夕鈴さん(様)」と彼女を取り合う事でしょう(^o^)
そして黎翔さんが嫉妬する~♪

まだ点滴で鉄を入れていますが、体調はだいぶ良くなりました。病院行くのも、何事も早めが大事。痛感しました(*_*;
ちょうど五連休をもらっていたので、ゆっくり休む事が出来て良かったです。
トンネル何個でしたっけ?最近はそちらにも行っていないので、たまにはちょっと遠出したいものです(^^♪
  • posted by 高月慧ネン(タイフーン様へ) 
  • URL 
  • 2016.01/17 01:16分 
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Re: タイトルなし 

あい様

体調はだいぶ良くなりました!ご心配お掛けしてすみません(*_*;
貧血って大した事ないって軽く考えていたけど、結構ダメージ大きいんですね。ほっといた事、反省してます…。
あいさんはCreuzより上司と部下がお好み?慧ネンも書きやすいのは上司と部下の方かな~。
課長がヘタレすぎて、書いていて面白い←ひど…。
アレも久し振りに書きましたが、いつも似たような内容になるな~とショックを受けました。
難し過ぎるよ~(*_*;
え?あいさん3月からROM專?冗談ですよね?(支部で書かれていたのを見たけど、見なかった事にしてた。)
是非、是非…!もっと沢山のお話を読みたいです~♥
  • posted by 高月慧ネン(あい様へ) 
  • URL 
  • 2016.01/17 01:51分 
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Author:高月慧ネン
『兎と狼のラビリンス』へようこそ。
黎翔と夕鈴が大好きな管理人・慧ネンが、溢れる妄想を書き殴るために作ったブログです。
原作沿いや現代パラレル、色々ありますので、お好きなお話をお読み下さい。
よろしくお願いします。

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