兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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おおかみ、うさぎの過去を知る

こんばんは、慧ネンです。
前回の更新日から4日目、今夜あたり何か更新出来るはずだったのに、どうしてだか指がノりません。というか、書けません。今年に入ってあんなに絶好調だったのに何故…

お題小説の続きを楽しみにして下さっている方、本当にすみません。
このまま書けなくなったらどうしようという不安はあるけど、数日たったら直ると思いますので気長にお待ち頂けたらと思います。
その間は過去作品をアップしたり、他のシリーズを頑張ろうかな…。

お題小説も、出来ればストーリー的に順番に消化したい、という思いに捕らわれ過ぎてるのかも。時系列、順番バラバラでも書ける奴から書いていくべきか、う~ん…(*_*;

と言う訳で、今夜は過去ブログから残っていたSSを持ってきました。久し振りの、『おおかみとうさぎのお話』です。このシリーズもここまでしか書いていないので、続きのお届けはいつになるか未定です~

注意:このお話の黎翔は『おおかみ』、夕鈴は『うさぎ』です。(ひらがな表記です)
ちょっと童話風な仕上がりになっています。




***


おおかみ、うさぎの過去を知る


うさぎが美味しそうな葉っぱを食べています。
おおかみは少し離れた場所に寝転んで、休んでいました。

「黎翔さん、ちょっとあっちに行っても良いですか?」

うさぎが指差す方向には、柔らかそうな草が沢山生えています。

「あんまり遠くに行っちゃ、ダメだよ?」

おおかみが言うとうさぎは頷いて、ピョンピョン駆けて行きます。
直にその姿は、背の高い草に隠れてしまいました。

おおかみは、空を見上げます。

空は厚い雲に覆われ、今にも雨が降り出しそうです。
どこからともなく、生温い風が吹いてきました。

ヒクリと、おおかみの鼻が動きます。
彼の鋭い嗅覚が、その匂いを嗅ぎ取りました。

「――夕鈴っ!!」

慌てて、うさぎの名を呼びます。
うさぎはすぐに姿を現し、おおかみの元へ駆けて来ました。
うさぎもその気配を感じ取ったのか、彼女の顔は真っ青でした。

おおかみはその大きな身体で、うさぎを隠し、庇いました。
そして前方の林を見詰め、低く唸ります。

「…出て来い!」

殺気を込めてそう言うと、木々の間から一匹の獣が姿を現しました。

大きな身体、茶色い毛並みの――狼です。

おおかみはうさぎに、すぐに追い付くから先に行くように言いました。
うさぎは不安そうにおおかみを見詰めましたが、彼がコクリと頷くとピョンピョン駆けて行きました。

その後姿を見届けた後、おおかみは同族の狼と向き合います。

「―何をしに来た?」

おおかみが問い掛けると、狼はニヤリと笑いました。
そしてこう言うのです。

「美味そうな匂いがしたんでな、良いエサに有り付けると思って来たんだが、――これは驚いた。」

狼はさぞ面白そうに言いました。

「狼と兎が、仲良く暮らしているなんてな。」

茶色い毛並みの狼は、おおかみと争う様子はありません。
ただニヤニヤと楽しそうに笑いながら、話を続けるだけです。

「ああ、そうか。…機会を待っているのか。」
「…どういう意味だ?」
「今はまだ幼いが、もう少し大人になったらあの兎、食い甲斐がありそうだ。」

それを待っているのだろうと、狼は笑います。
泣き叫ぶ声を聞きながら、嬲り殺すのも一興だと――。

おおかみも、この狼と事を荒立てる気はありません。
けれど彼の言葉は、おおかみの神経を逆撫でするには十分でした。

「…そんな事はしない。」

おおかみは低く唸ります。
それ以上、言うなと言うように。

おおかみがうさぎと共にいるのは、決して彼女を喰らう為ではありません。
種族の違う二匹(ふたり)だけど、共にいたいと心から願ったのです。

「…あの兎も、酔狂な事をする。自分が喰われる身と知っていながら、狼の傍で暮らしている。」

クックッと、狼は低く笑います。

「――何の話だ?」
「何だ、知らないのか?」

おおかみの反応を見て、狼はニヤニヤ嫌な笑みを見せます。
何故だか、この先を聞いてはいけないような気がしました。

「――あの兎の母親、狼に殺されたって話だぜ?」

おおかみの目の前が、真っ暗になりました。


うさぎは毛が濡れないように、狭い岩穴の影に身を潜めていました。
雨が降り出したので、自分の匂いが消えていないか心配でした。
暫くたって、おおかみが来なかったら、探しに行くつもりでした。

幸い、道は覚えてます。

雨で霞む視界の中、うさぎはジッと視線を凝らします。
暫くして前方から、こちらに向かってくる姿を捉えました。

黒い大きな身体、紅い瞳――おおかみです。
うさぎは岩穴から飛び出しました。

「黎翔さんっ!」

うさぎはおおかみに駆け寄りましたが、彼は何も話しません。
ただ呆然と、うさぎを見詰めているだけです。

「…黎翔さん?」

うさぎは首を傾げます。
どこか怪我でもしたのかと、不安になりました。

「黎翔さん、どこか痛いの「――夕鈴。」

うさぎの言葉を、おおかみが遮りました。

「…夕鈴、ゆうりん…」

悲しげにうさぎの名を呟きながら、おおかみは鼻先をうさぎの頬に何度も押し付けます。

おおかみの表情は、苦渋に満ちていました。
眉間に皺を寄せ、閉じられている瞳は、泣いているようにも見えました。

おおかみはやるせない思いで、鼻先でうさぎの匂いを嗅ぎます。
うさぎの名を呼び、その存在を確かめました。

自分と言う存在は、うさぎにとって、良いものではないとおおかみは思います。
自分達の種族の違いを、おおかみは改めて認識します。


――いつも笑っている優しいうさぎの、壮絶な過去を知りました。


それでもうさぎと一緒にいたいと思う自分を、おおかみは、とても浅ましく思いました。


END

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