兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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ウサギと団子とお月見と

前ブログで9月にアップした超短編です。

夕鈴は臨時花嫁です。



ウサギと団子とお月見と


白陽国国王・珀黎翔が公務を終え後宮に渡ると、たった一人の妃の部屋には主の姿がなかった。

「…夕鈴?」

彼女の気配を追い、黎翔は外に出る。

「陛下っ!」

後宮の庭で二人の侍女と忙しそうに何やら準備に追われていた夕鈴は、黎翔の姿を見つけ嬉しそうに微笑む。侍女は一歩下がり、優雅に腰を折った。
黎翔が片手を挙げ人払いの合図を送ると、侍女は心得たように静かに去っていく。

月明かりが眩しい庭に、夕鈴と黎翔だけが残った。

「…ずいぶんと楽しそうだったけど、何してたの?」

黎翔が問うと、夕鈴は満面の笑みを見せる。

「これの準備をしていたんです。」

夕鈴の視線の先には、部屋から持ち出したであろう机と、その上に乗せられている皿。

「…今日は朝から雨だったからどうしようかと思ってたのですが、晴れてよかったです。」

無駄にならなくて済みました、と夕鈴は言う。

皿には沢山のお団子が綺麗に積み上げられている。
そして横に置かれた水差しには、夕鈴が自ら生けたススキが風に揺れている。

「今夜は十五夜か。」

「はい。」

二人揃って空を見上げる。


朝から降り続いた雨は夕方に上がり、空には大きな満月が。
まだ少し雲が多いが、流れが速いのでもう少し待てば綺麗な夜空を堪能できるだろう。


夕鈴に団子を勧められて、食そうとした黎翔は少し目を瞠った後、面白そうに笑った。

「…夕鈴、このお団子…!」

「ちょっと時間があったので、作ってみたんです。可愛いでしょう?」

黎翔の反応を見て、夕鈴もクスクス笑う。

普通の団子に混じって、皿に乗っているウサギの形をしたお団子。

「…食べるの勿体無いね。」

「でも食べないと、痛んじゃいますよ?」

「…そうだね。」

食べ物を粗末にするのは良くないと、黎翔も思う。

「美味しいですね~」

団子を頬張っている夕鈴を見ながら、黎翔はウサギ団子に噛み付いた。


まあ、良いよ。僕のウサギは隣(ここ)にいるから。

隣で狼が牙を剥いている事など、全く気付いていない夕鈴だった。


END

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『兎と狼のラビリンス』へようこそ。
黎翔と夕鈴が大好きな管理人・慧ネンが、溢れる妄想を書き殴るために作ったブログです。
原作沿いや現代パラレル、色々ありますので、お好きなお話をお読み下さい。
よろしくお願いします。

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