兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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♪ハロウィンの翌朝は…

このお話は、『♪一日遅れのハロウィンは、沢山のお菓子よりも…』の続き(翌朝)です。

ちょっと黎翔可哀想かな…?



♪ハロウィンの翌朝は…


「…眠たいです。」

「……」

「身体、だるいし…」

「う……」

「もう止めてって言ったのに…」

「…夕鈴、ごめんってば~」

謝ってくる黎翔から、夕鈴はツンッと視線を逸らす。

am6:30

学校に行く前に、父親と弟の朝食を作らなくてはいけない夕鈴を、黎翔は車で自宅に送っていた。
助手席に座る彼女は、朝からお冠だ。

その理由が分かっている黎翔は先程から懸命に謝っているのだが、夕鈴は文句を言いながら恨めしげな顔を向けて来るだけだ。

黎翔も少しは悪いと思っている。

夕鈴が学校がある事を分かっていて、彼女を組み敷いてしまった。
加減しなくては彼女の身体に負担がかかると分かっていたのに、ついつい理性を忘れ、三時頃まで寝かせてあげれなかった。

だが非は、夕鈴にもあると黎翔は思うのだ。

自分だけ怒られるのは、何だか悔しい気がする。

「でも夕鈴だって、気持ち良さそう、

ギッと、夕鈴に睨まれ

…はい、ごめんなさい…。」

シュン、と肩を落とす。


「…黎翔さんに食べてもらおうと思って作ったお菓子、いらないみたいですね。」

「え…?」

ギョッと、黎翔は夕鈴を見る。

彼女は、とても怖い顔で微笑んでいた。

「…だって、お菓子いらないから、私に悪戯したんですものね?」

淡々と話す、夕鈴が恐ろしい。

「ゆ…」

「ですよね?」

「…はい…」

にっこり笑う彼女は、取り付く島もなかった。

「送っていただいて、ありがとうございました。」

そう言って車から離れていく夕鈴の後姿を見詰めながら、黎翔はクスンと鼻を鳴らす。

夕鈴手作りのお菓子を、食べたかったのに…。

自分の行いを少し後悔しながら、車をUターンさせようとギアをバックにいれ後ろを見ると、後部座席に見慣れない紙袋が置かれている。

何だろう?
夕鈴の忘れ物かな?と思い、手に取り中を覗くと――。

「夕鈴……。」

フワリと漂う、カボチャの匂い。

袋の中には、夕鈴お手製のカボチャのクッキーや、饅頭などお菓子が沢山入っていた。

カボチャお化けのジャック・オ・ランタンを作る時にくりぬかれた中身は、夕鈴の手によって美味しいお菓子へと変貌を遂げていた。
食材を無駄にしない、夕鈴らしいやり方だ。

食べて良いのかな…と思っていると、メールの着信音が鳴り響いた。

『…黎翔さん一人で食べちゃ駄目! Creuzの皆さんと分ける事!!』

「え~!?」

夕鈴の手作りのお菓子を、他の男共に食わせたくない。

「…一人で食べちゃおっかな~?」

言わなきゃバレないよね?と企んでいると、また携帯が鳴る。

『皆さんに食べた感想を聞きますから、もし一人で食べたりすると、分かりますからね?』

「…………」

今回は夕鈴の方が一歩上手だった。


「――うっめ~!!!」
丁寧に裏ごしされたカボチャ餡が入った饅頭を頬張り、浩大が声を上げる。

「…美味しいですねえ。」
パンプキンパイを食べながら、水月は微笑む。

「…フン。」
かぼちゃパンを租借しながら、方淵は若干嫌そうに顔を顰める。

「…彼女は料理上手ですからね。」
口煩い李順も、夕鈴の腕前は認めているようだ。

「それにしても意外ですね。…貴方が夕鈴さんが作ったお菓子を私達に寄越すなど。」

…てっきり一人で食べるかと思ってました、と言う李順を、黎翔はジト目で睨み付けた。
何も聞くな、と言うように。

肩を落としたまま、もそもそとクッキーを頬張る黎翔はまだ気付いていなかった。

マンションのキッチンの冷蔵庫の中、

甘い物が大好きな黎翔の為に、夕鈴が彼のためだけに作った、

かぼちゃのタルトと、かぼちゃプリンが彼が帰りを待っているという事に。


END

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Comment

No title 

また~!!

あちらでも起きた事象・・・。

認証して送信ボタン押したのにコメント
UPされてない・・。

もう一度挑戦。

**

相変わらずゆうりんに対してはヘタr・・・ゴホン・・・いえ・・・
小犬ですね(笑)

夕鈴の方が何枚も上手。
女性はこうでなくっちゃ!
男性を手のひらでコロコロしちゃいましょう!!(。・ ω<)ゞてへぺろ♡

  • posted by ぷーちゃん 
  • URL 
  • 2013.01/21 08:32分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: No title 

あら、またですか~?
困りますねえv-356

コメントありがとうございます。
うちの二人は、夕鈴の方が上手みたい♥
黎翔を手の上で転がします(笑)
でもなんだかんだ言っても、夕鈴も黎翔に甘いんですけどね(^^♪

そして黎翔、子犬っぷり、炸裂です!
大好きな夕鈴に手の上で転がされて、実は喜んでいたりして(笑)
  • posted by 高月慧ネン 
  • URL 
  • 2013.01/22 02:07分 
  • [Edit]
  • [Res]

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よろしくお願いします。

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