兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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♪若葉マークな、恋人達のクリスマス ♯9

続きです。

クリスマス小説Creuzシリーズ


♪若葉マークな、恋人達のクリスマス ♯9


ぎこちなく自分の背に回された腕を嬉しく思いながら、黎翔は夕鈴の背中を優しく撫でるとそれ以上は何もせずに彼女の身体を解放した。

「さ、朝ご飯食べよう?ルームサービスだけど、結構美味しいはずだよ?」
夕鈴の手を引き、テーブルに導く。向かい合って座ると、二人は少し遅い朝食を取り始めた。

「わ…美味しい!」
料理を口に入れた瞬間、夕鈴は満面の笑みを浮かべ声を上げた。
「――でしょ?」
たかがルームサービスでも、高級ホテルの一流シェフが作った料理。
レストランで食べる料理と、味はそう変わらない。

食事をしながら黎翔は、今日の日程を確認する。
互いに仕事がなければ、一日ゆっくり二人で過ごす事が出来た。今更ながら、この日に仕事を入れた事を後悔した。
もう少し二人だけでゆっくりしたいが、自分はともかく夕鈴のバイトの時間が迫っている。

のんびりしていられないと黎翔が思った時、部屋の中に携帯のバイブ音が響く。
「…僕のかな?」
一つはベッド横のテーブルに置かれた黎翔の携帯。
「あ、私のもです。」
そしてバックに入れられたままの夕鈴の携帯も着信を知らせていた。


Frm 浩大
Sb おっは~♥

素敵な夜は過ごせたか?
お前の車をホテルの地下駐に運んであるよ。鍵はフロントね。
それから姫ちゃんの方にも連絡行ってると思うけど、コンビニバイト、代理を頼んでるから休んでOKだよ。
んじゃ、そゆ事で。


― - -
 
frm (   )
Sb おはようございます。

兄貴の代わりは流石に出来ませんが、コンビニバイトは姉さんの代わりに俺が入ります。
せめて午前中だけでも、二人でゆっくりして下さい。
では。



黎翔と夕鈴は、メールを確認した後互いの顔を見詰め合い、同時に苦笑いする。

お節介焼きで面倒見の良い黎翔のバンド仲間と、二人を慕う三人組の一人。
自分達は本当に恵まれていると思う。
すぐ近くにこんなにも、見返りを求めず動いてくれる人がいるのだから。

「…せっかくだから、デートでもしよっか?」
笑顔で聞いてくる黎翔に、夕鈴は頬を染めて頷いた。

朝食を終えて昨夜と同じワンピースを着ようとした夕鈴を、黎翔が止める。
そして近くのブティックに連絡を入れ、何着か服を持ってきてもらうと言う暴挙に出た。

お店の人達に悪い、お金が勿体ないとしきりに遠慮する夕鈴に、黎翔は膨れっ面で文句を言う。

「…だって、その姿の夕鈴を、もう誰にも見られたくないよ。」

「昨夜だって数え切れない男達に見られたのに」と言う彼が、どうやら妬いている事に鈍い夕鈴も気付き、しぶしぶ折れる事にした。

ホテルを出て黎翔の運転する車で、二人はドライブに出掛けた。
街は何処を見てもクリスマスムードで、行き交う人達の表情は明るく嬉しそうに見えた。


そして、正午過ぎ。

夕鈴のバイトは夕方からになったが、黎翔の仕事は待ってはくれない。
短いドライブデートを終え、黎翔は夕鈴を自宅近くの公園前まで送り届ける。

「送っていただいて、ありがとうございました。」

エンジンを切った、静かな車内。
夕鈴は運転席にいる黎翔に頭を下げる。

「楽しかったです。」
昨夜はちょっとした勘違いから、喧嘩もしてしまったが、二人だけの時間はとても楽しく、幸せだった。
「…僕もだよ。」
黎翔も笑う。自分も同じ気持ちだと。

「来年のクリスマスは、絶対仕事入れない。」
もうすでに仕事に行きたくない黎翔は、たとえマネージャーが仕事を持ってきても断ってやると強く思う。

「私も来年はバイト入れません。」
夕鈴も苦笑いしながら黎翔に伝える。
時間に追われてバタバタするより、休みを入れて二人でゆっくり過ごしたいから。

今年は二人が付き合い出して、初めてのクリスマス。

異性と付き合うのが初めての自分は、何もかもが初心者で、肝心な時にバイトを入れてしまったりする。
今回も親友達がお膳立てしてくれなければ、黎翔とクリスマスを共に過ごす事も出来なかった。

チラリ、と夕鈴は黎翔を見る。

彼には、様々な女性と関係を持っていた過去がある。
それは夕鈴が彼に会う前の事で、その事で今更彼を責める事も出来ないし、責めようとは思わない。

そんな女性達と、彼はどんなクリスマスを過ごしてきたのか。

そう思うと、少し、いや、かなり。
悔しいし、嫉妬はするけれど。

眉間に皺を寄せた夕鈴を見て、黎翔は彼女が何を考えているのか想像出来た。
困ったように笑い、彼女の腕を引き、その細い身体を自分に引き寄せる。

「…僕も女の子とクリスマスを過ごすのは初めてだよ?」
愛しい彼女の耳元で、そっと囁く。

「―――だから僕も、若葉マーク。」

本当だよ?
僕を信じて?

懇願する黎翔の声が耳に響く。

自分より年上の、大人な彼。
そんな彼の、子供のようなお願い。

何もかも知り尽くしていると思っていた彼が、自分と同じ『若葉マーク』だったなんて。


夕鈴は嬉しくなって、大好きな彼の唇にそっとキスをした。


END


終わりました~
今まで書いてきた話の中では最長ですね

つ、疲れた…
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Comment

No title 

おつかれ様でした!!
完結おめでとうございます!

いろいろなことがあったクリスマスバージョン。
こちらへのお引越しなど大変でしたね・・(´;ω;`)

読み手の私としては長編も短編も嬉しいのですが・・。
慧ネンさんは大変だと思います・・。(いつも萌えありがとう(^-^))

**
もう二人のこの初々しさとラブラブ・・・
どうにかできませんか・・・・/////
読んでいて恥ずかしくなって悶えてしまいました!
(余りの初々しさに手で顔を覆ってしまいましたよ///)
後は声なき声で悲鳴も・・・・///(つд⊂)///

可愛いです~

<若葉マーク>な二人。

黎翔さん。
初めてのクリスマス、信じてもらえてよかったね。

  • posted by ぷーちゃん 
  • URL 
  • 2013.02/07 00:47分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: No title 

ぷーちゃん様

コメントありがとうございます!
一か月半越しの完結、慧ネンも感無量です!
お、終わって良かった…!

遊び慣れているように見える黎翔ですが、まだ初々しい若葉さんでした♥
クリスマスプレゼントを買うのも、イブを好きな人と過ごすのも、何もかも初めて。
もちろん、喧嘩しちゃうのも初めてでした(^^♪

二人の絆は、さらに深まった事でしょう。

慧ネンは短編は苦手なので、どうしても長くなってしまいますが、好きでやっている事なので、暇を見つけて少しずつ書き進めていこうと思います。

応援、よろしくお願いしますね!(^^)!
  • posted by 高月慧ネン 
  • URL 
  • 2013.02/07 01:36分 
  • [Edit]
  • [Res]

No title 


完結
お疲れ様です☆☆

この話を読んでいて
ドキドキ、キュンキュンでしたよぉ~~

黎翔さん、夕鈴ちゃん
可愛すぎますっ!!

来年のクリスマスストーリー
今から
もう、楽しみで♪♪



  • posted by 鈴♪ 
  • URL 
  • 2013.02/20 21:50分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: No title 

鈴様

コメントありがとうございます!

ようやく完結した、クリスマス小説。
お待たせしてすみませんでした<m(__)m>

黎翔も夕鈴も初々しい『若葉』さんでした♪
可愛らしいですねえ。

来年のクリスマスは、一体どんなものになるでしょうね?
考えておかないと…(笑)
  • posted by 高月慧ネン 
  • URL 
  • 2013.02/23 17:45分 
  • [Edit]
  • [Res]

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よろしくお願いします。

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