兎と狼のラビリンス

こちらは白泉社『狼陛下の花嫁』の二次創作ブログサイトです。(作者様・出版社様とは関係ありません)

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♪新年早々…???

前ブログで今年最初に書いたお話です

新しい年になっても、この二人は相変らず

ちょっとだけ、大人表現あり

Creuzシリーズ



♪新年早々…???


2013年 元日


年末年始であろうと忙しい黎翔は、生放送の年越しライブが終わりテレビ局を後にする。

愛する恋人と出会う事ができた昨年は、とても充実して素晴らしい一年だった。
年が明けてすぐ、少しの休憩時間に送った『明けましておめでとう』のメールに、夕鈴から返事が来ていた。


明けましておめでとうございます。

仕事が終わったら、何時でも良いので電話下さい。



時間は明け方4時。

いくらなんでも、彼女は寝ているだろう。

起こすのは忍びないと思い、黎翔は電話ではなくメールを送る事にした。
夕鈴が気付かないなら、それでも良いと思いながら。

だがその僅か数分後、黎翔の携帯が着信を知らせる。

『――黎翔さん?』

まだ眠っていなかったのか、夕鈴の声はとてもはっきりしていた。


年末は大掃除やら買出しで、夕鈴は忙しく過ごした。

「…もう!電話して下さいって言ったでしょう?」

ベッドの上に座り、夕鈴は彼に向かって膨れる。

『ごめん、寝てたら悪いと思って…』

そう答える黎翔の声は、とても優しい。

「大丈夫ですよ。まだ寝てなかったし…」

父親がご近所さんと宴会をしていて、片付けを終えベッドに入ったのはついさっき。

『でも、部屋の電気消えて…あ』

しまった、と言うような感じで、黎翔の言葉が途切れる。

(…ん?部屋の電気?)

夕鈴はまさかと思い、明かりをつけてカーテンを開け、外を見る。

家の前を走る道路の、少し離れた場所に、一台の車が停まっている。
その傍に立ち、こちらを見上げる一人の男の姿。

「うそ…!」

夕鈴は部屋を飛び出し、階段を駆け下りた。

「黎翔さん…!」

夕鈴は恋人に駆け寄ると、その勢いのまま飛び付いた。
黎翔は彼女の細い身体を、危なげなくしっかりと抱き止める。

「こんな時間にごめんね、夕鈴。」

「いいえ、お仕事ご苦労様でした。」

申しなさげに謝ってくる黎翔に、夕鈴は仕事を終えたばかりの多忙な彼に、労いの言葉を掛ける。
上着を羽織ってはいるものの、パジャマ姿の夕鈴はとても寒そうで、黎翔は車の中に入ろうと促した。

「改めて、明けましておめでとう。今年もよろしくね?」

「お、おめでとうございます!…こちらこそよろしくお願いします!」

黎翔に頭を下げられ、夕鈴も慌てて新年の挨拶をする。

そんな夕鈴を、黎翔はとても優しい瞳で見詰める。

「…去年は夕鈴に会う事が出来て、僕にとって忘れられない一年になったよ。」

二人の出会いは3月の終わり。

もうすぐ出会って一年が経つ。

「わ、私もです…。黎翔さんと会う事が出来て、とても幸せです。」

頬を染めてはにかみながら言う夕鈴を見ながら、それは自分の方だと黎翔は思う。

夕鈴に会って、人を愛し、愛される喜びを知った。
彼女との出会いが、黎翔の人生を大きく変えたのだ。

こんなに幸せだと思うのは、夕鈴が隣にいてくれるからこそ。

「…ありがとう、夕鈴。僕、とっても幸せ。」

夕鈴の頬をそっと撫で、ぷっくりと膨らむ柔らかい唇に指を這わせる。
顔を近付けると、夕鈴はギュッと目を閉じた。

唇を合わせるだけの優しい口付けは、やがて深いものへと変わっていく。

「…ん…んぅ…!」

自分の咥内で暴れ回る黎翔の舌に、夕鈴は自ら舌を絡ませ、必死に彼に答えようとする。

「…はぁ…ん…」

ようやく開放され、夕鈴はとろんとした表情で黎翔を見る。

「2013年、初キス…だね?」

嬉しそうに微笑む彼に、まるでこの続きを強請るように、夕鈴は無意識に自分の唇をぺろりと舐めていた。

「……!…ダメだよ、夕鈴。」

ズクンと疼いた欲を、黎翔は必死に押し留める。

彼女に対しては堪え性のない自分を理解している。
そんな表情で、危険な男を挑発しないで欲しいと思う。

けれどそんな黎翔の気持ちが夕鈴に分かる筈もなく、彼女は自ら獣の腕の中に飛び込み、胸に頬を寄せてきた。

「…もう少し、一緒にいちゃダメですか?」

帰りたくない、と思う。

本当は普通の恋人達のように、初詣に行ったり、初日の出を見に行ったりしてみたい。
それが無理でもせめて、もう少し傍にいさせて欲しい。

このまま彼の部屋に、連れ去られても良い…。

「そんな顔、しないで?」

黎翔は夕鈴の頭を撫で、長い髪を梳く。

社会人の黎翔とは違い、まだ高校生の未成年な彼女。
まだ親御さんに挨拶すらしていないのに、こんな時間に勝手に連れ回すわけにはいかない。

ここはきちんと、彼女を家に帰らせるのが大人の役目。

そんな事、理解(わかっ)てるのに…。

「帰したくなくなっちゃうよ…。」

髪に顔を埋め、花のような彼女の匂いを吸い込む。
甘いその香りはまるで媚薬のように、黎翔を魅了させる。

二人抱き合ったままじっとしてると、夕鈴の携帯が軽やかなメロディーを紡いだ。

メール受信画面に表示されているのは、溺愛する弟の名前。

「青慎…?」

起きているのだろうか?と思う。
まだ中学生の彼を、早めに就寝させたのだが。


父さんには上手く言っておきます。

心配せずに、楽しんできて下さい。



短いながらも、優しい弟からの言葉。

彼には、まだ付き合っている恋人の事を話していないのだが、一体どこまで知っているのだろう。

P.S 彼氏さん、姉をよろしくお願いします。

聡い弟に、顔を真っ赤にした夕鈴は、思わず自宅の方を見る。
自分の部屋の隣、先程まで真っ暗だった弟の部屋から僅かに明かりが洩れていた。

「…お許し、出ちゃったね?」

携帯を覗き込んでいた黎翔も、嬉しそうに苦笑い。

夕鈴から離れた黎翔はシートベルトをした後、ハンドブレーキを下ろし、ギアを切り替える。

「行こう、夕鈴。」

「…どこへですか?」

「どこへでも…と言いたいトコだけど、せっかくだから初日の出を見に行こう。」

穴場じゃなくても、誰にも邪魔されず二人だけで見る事が出来る場所が、きっとあるはず。

「はい…!」

彼と一緒なら、何処だって良い。

助手席に座る夕鈴は、黎翔に満面の笑みを見せる。

アクセルを踏み込もうとした黎翔は、運転席と助手席の間に置かれている紙袋の存在を思い出す。
実は抱き合う二人の間で潰されかかっていたのだが、今の今までその存在を忘れていた。
その紙袋は、夕鈴が家から出て来た時に持っていた物。

「夕鈴、それ、何?」

「あ、おせちです。黎翔さんに食べてもらおうと思って。」

「え?…まさか夕鈴の手作り?」

「はい。」

母がいない汀家では、おせち料理も彼女が作る。
亡くなった母が残した、数々のレシピを参考に毎年作っている。
難しいものは作れないが、昔から伝わる汀家の味。
彼に食べて欲しくて、タッパに詰めて持ってきたのだ。

今の今まで、夕鈴も忘れていたけど。

「わ~嬉しいなあ。…もうお腹ぺこぺこなんだ!」

黎翔は子犬のように、ニコニコ笑っている。

「…食べさせて?夕鈴。」

その笑みのまま、黎翔は夕鈴に視線を向ける。

「え?…でもどうやって…」

運転中の黎翔にどうやって食べさせるのか。

この状態では、方法は一つしかない事に気付いた夕鈴はまた真っ赤になる。
そんな夕鈴に、黎翔は楽しそうに追い討ちをかけた。

「あ~んってして欲しいな?」

「!?…無理です、そんな恥ずかしい事出来ませんっ!!」

「え~~?」

二人の攻防はしばらく続いたが、結局は夕鈴が根負けしたとか。

二人は新年早々、とても賑やかです♪

今年もよろしくお願いします!


END


何を隠そう、クリスマス小説が完結してからこちらに移そうと思っていたのに、すっかり忘れてました
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黎翔と夕鈴が大好きな管理人・慧ネンが、溢れる妄想を書き殴るために作ったブログです。
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よろしくお願いします。

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